ではキャリア各社は、Googleの動きをどのように見ているのでしょう。主要3キャリアのNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに質問してみました。以下、返答順に掲載します。
□NTTドコモ
質問1:Googleのこうした動きに対して、御社はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
回答:大変興味深く、今後も注視していきたいと思っております。
質問2:また、Googleのプロジェクトに対して協力するお考えをお持ちでしょうか。
回答:未定です。
□KDDI(以下、質問は省略)
回答1:詳細の情報を持ち合わせない状態ですので、静観しています。
回答2:上述のとおり、詳細が不明ですが、状況を見ながら検討していきます。
□ソフトバンク
回答1:絵文字の共通化は望ましいことなので、絵文字の国際化をめぐる各種標準化の動向については当社としても注意深く見守ってまいります。
回答2:上記の状況でございますので、質問2に関しては、お答えできる段階にございません。
忙しい中お答えいただいた各社の皆さまに深く感謝いたします。さて、読者の皆さんはこうした回答をどのように読んだでしょう。前述した状況を踏まえれば、ここはむしろ積極的に関与して自分たちの意向を少しでもUnicodeに反映させた方が後々有利になるようにも思えるのですが、ひょっとして各社は思いもつかない一手を隠しているのでしょうか?
さて、キャリア各社にはすこし辛口の内容がつづきました。しかし、もうちょっと考えると「パンドラの箱」を開けてしまったのは、じつはGoogleも同じように思えてくるのです。ただし、これを説明するのはすこし長くなる。そこで次回はちょっと回り道になりますが、まず絵文字を収録しようとするUnicodeそのものの説明、そしてそこでのGoogleのポジションを説明してみたいと思います。関連してGoogleにはこちらのメールによる質問に回答していただきました。どうかお楽しみに。
1959年生まれ、和光大学人文学部中退。
2000年よりJIS X 0213の規格制定とその影響を描いた『文字の海、ビットの舟』を「INTERNET Watch」(インプレス)にて連載、文字とコンピュータのフリーライターとして活動をはじめる。ブログ「もじのなまえ」も更新中。
主要な著書:
『活字印刷の文化史』(共著、勉誠出版、2009年)
『論集 文字―新常用漢字を問う―』(共著、勉誠出版、2009年)
主要な発表:
2007年『UCSにおける甲骨文字収録の意義と問題点』(東洋学へのコンピュータ利用第18回研究セミナー)
2008年『「正字」における束縛の諸相』(キャラクター・身体・コミュニティ―第2回人文情報学シンポジウム)
2009年『大日本印刷における表外漢字の変遷』(第2回ワークショップ: 文字 ―文字の規範―)。
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