Windows Mobile 6.5で、これまでと最も異なっているのは、新たなユーザーインターフェースの採用である。より「指先での操作に適し」かつ「ユーザーが中心となる」デザインに設計がなされており、重要度の高い情報が常に前面に表示されるほか、ナビゲーションエクスペリエンスの向上を実現している。
新たなスタートメニューは、ハチの巣のような形状に広がっており、ボタンの押し間違いをすることなく、すばやくアイコンにタッチ可能となっている。アイコンの移動や並び替えは、好みに応じて自由に行える。スクリーンがロックされた状態からでも、不在着信、ボイスメール、新着メッセージ、直近のスケジュールなどをチェックして、重要度の高い情報は、一目で確認可能となっている。また、ホームスクリーンには、「Zune」のインターフェースが採用されている。
なお、こうしたユーザーインターフェースは、主にタッチスクリーンに対応したものとなっているようではあるものの、Microsoftは、タッチスクリーン非対応の製品向けにも、引き続きWindows Mobile 6.5の提供を続け、「Windows Mobile Standard」の最新版もリリースして、顧客に選択の自由を差し伸べる予定であると語っている。
しかしながら、やや残念なニュースもある。Microsoftは、Windows Mobile 6.5へのアップグレードや、新たな搭載製品の提供が、2009年後半になることを明らかにしている。今回のWindows Mobile 6.5の発表と同時に、いくらか対応製品に関する発表も行われた。たとえば、LG電子は、今後もスマートフォンの主要OSとして、Windows Mobileの採用を継続する方針を示し、年内にWindows Mobile 6.5を搭載した新製品の発表を約束した。また、HTCは、新たに発表した「HTC Touch Pro2」および「HTC Touch Diamond2」が、Windows Mobile 6.5へのアップグレードに対応することを明らかにした。とはいえ、その頃も、(スマートフォン業界では)依然として、Microsoftにとって厳しい競争が続いており、同社がWindows Mobileの無償提供に踏み切るようなこともないだろう。
Windows Mobile 6.5の新機能は、確かにOSのユーザビリティの向上につながりそうではあるものの、飛躍的な向上というよりは、非常に小さな一歩が踏み出されたに過ぎず、実際にリリースされる頃に、どれほどWindows Mobile 6.5がインパクトを与えるものとなるのか、興味深く見守っていきたい。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
日本のインターステラテクノロジズが挑む
「世界初」の衛星通信ビジネス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
NTT Comのオープンイノベーション
「ExTorch」5年間の軌跡
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
先端分野に挑み続けるセックが語る
チャレンジする企業風土と人材のつくり方