Microsoftは既に、Windows Mobileデバイス用のアプリケーションを作成する開発者コミュニティーを持っている。しかし問題は、これらアプリケーションの多くがビジネスユーザー向けに開発されていることだ。また、ユーザーが1カ所でさまざまなアプリケーションを簡単に探し出しダウンロードできるような場がない。
「明らかに、もうスマートフォンはビジネスユーザー専用ではない。Microsoftは開発者コミュニティーと連携し、さらに多くのコンシューマーアプリケーションを作り出す必要がある」(Reith氏)
Microsoftの幹部はコンシューマー向け機能の人気が高いことを理解している。Microsoftのモバイルビジネス部門を統括するAndy Lees氏はWSJに対し、Microsoftはマルチメディアや、音楽や写真などのコンシューマー向け機能を一層強化しようとしていると語った。
Microsoftは、来週スペインのバルセロナで開催されるトレードショー「Mobile World Congress」において、新サービスを発表するとみられている。Mobile World Congressでは現地時間2月16日に、最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏による基調講演が予定されている。
しかし、こうした強化を行ってもMicrosoftの前途は多難だ。スマートフォン市場における競争は激化しており、Android、RIMをはじめ、いくつかの競合企業は独自のアプリケーションストアを立ち上げている。
電話機本体とOSで、Windows Mobileデバイスの強力なライバルとなり得る新しいデバイスが市場に登場する。例えば、スマートフォンのパイオニアであるPalmは2009年中に、新しいモバイルソフトウェアと「Palm Pre」と呼ばれるデバイスを発売する予定だ。批評家たちは2008年に、Palmはおしまいだと書いていたが、1月にラスベガスのInternational Consumer Electronics Show(CES)で発表されたPalm Preは大きな話題を集めている。
しかしMicrosoftは、こうした競合企業、特にAppleに対抗するために適切な強化策を用意できたと考えている。
WSJは、Microsoftが「My Phone」という新しいデータ同期ストレージサービスについて話しているとも伝えている。同サービスでは、携帯電話内の連絡先やスケジュール情報、写真、テキストメッセージをより簡単にウェブサイト上にバックアップできるという。Appleが「MobileMe」と呼ぶサービスと同種のサービスだ。最大の相違点は、AppleのMobileMeの利用には年間99ドルの料金がかかるのに対し、MicrosoftはMy Phoneを無料で提供するという点になるだろう。
Microsoftが新しいソフトウェアとアプリケーションストアによって、どのようにAppleの製品やサービスに対抗するかはまだ分からない。ただ1つだけ確かなことは、Appleもじっと待ってはいないということだ。そして、Microsoftやほかの競合企業が、スマートフォン市場でAppleの先を行きたいと望むなら、真に革新的なものを作り出し、一気にAppleを飛び越す必要があるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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