膨大な数の映画やテレビ番組の著作権を侵害したとして損害賠償金約1億1100万ドルの支払いを命じられたTorrentSpyが約1年ぶりに法廷闘争を再開する。
TorrentSpyは米国時間2月3日、連邦地方裁判所のFlorence-Marie Cooper判事の判決を不服として控訴した。Cooper判事は2008年5月、TorrentSpyに対し、膨大な数の映画やテレビ番組の著作権を侵害したとして、約1億1100万ドルの損害賠償金を全米映画協会(MPAA)に支払うよう命じる判決を下した。TorrentSpyはMPAAとの法廷闘争の結果を受けて、サイトを閉鎖している。
TorrentSpyは海賊版の映画などを求めるユーザーが好んで使うツールだったが、サイト運営者はTorrentSpyの検索エンジンは合法的な目的にも使われていたと一貫して主張してきた。TorrentSpyの弁護士であるIra Rothken氏によると、控訴状は第9巡回控訴裁判所に提出されたという。
「裁判所の手続きと判決は間違っている、というのがわたしたちの主張だ」とRothken氏は4日、CNET Newsに述べた。「裁判所は、開示問題に関する1時間の審理でこの案件を終結させ、TorrentSpyに裁判の機会さえ与えなかった。裁判所の行為は間違っており、決定権の乱用があったとわたしたちは考えている。裁判所は、TorrentSpyに対して、同サイトのプライバシーポリシーに反することをするように命令したとわたしたちは考えている。そして、裁判所の開示命令とユーザーのプライバシー権のバランスが、控訴審において重要な争点になるとわたしたちは考えている」(Rothken氏)
Cooper判事は2008年、TorrentSpyの運営者が訴訟に関連する証拠を故意に破壊したため、MPAAは公平な裁判を受けられなくなったとする判決を下した。TorrentSpyはそれ以前に、開示命令に違反したとして3万ドルの罰金支払いを命じられた上、今後も命令を無視するようであれば厳しい制裁があるという警告を受けていた。
MPAAは、TorrentSpyが存在しているのは映画の著作権侵害者を手助けするためだ、と一貫して主張していた。
「TorrentSpyは、大規模な著作権侵害に露骨に力を貸して利益を上げ、侵害行為を誘発していた」とMPAA関係者は述べた。「TorrentSpyと同様の行為を働いている者は皆、著作権侵害の責任を負うべきだろう。TorrentSpyの被告がそうした証拠が自分たちに不利になることを自覚し、証拠破壊に及んだことを裁判所は明確に認定した。TorrentSpy、そして同様のほかのサイトの唯一の目的は、著作権で保護されたコンテンツの違法な流通を促進することだ」(MPAA関係者)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス