映画業界から著作権侵害で提訴されているBitTorrentトラッキングサイトであるTorrentSpy.comは米国時間8月26日夜、米国内のユーザーのアクセスを閉鎖するという声明を発表した。
TorrentSpyによる米国居住者のアクセス禁止は、米国地方裁判所がまもなくTorrentSpyがユーザー情報を全米映画協会(MPAA)に提出しなければならないかどうかの判決を下すことを受けて決定された。MPAAは2006年、TorrentSpyが著作権法に違反しているとして民事訴訟を起こしている。
TorrentSpyの声明によると、「米国ユーザーのアクセス閉鎖というTorrentSpyの決定は、裁判所により強制されたものではない」という。「これは、ユーザーのプライバシーに対する米国における不確かな法的状況と、米国と欧州連合(EU)のインターネットプライバシーに関する法律の間の明らかな相違により生じた決断である」(TorrentSpyの声明)
また同社は、同社のサーバはオランダに存在するため、同サイトは米国外のユーザーには引き続きアクセス可能とすると述べた。
TorrentSpyは同サイト上で海賊版映画をホスティングすることはしていないが、MPAAの訴状では、同検索エンジンはユーザーが不法コピーを検索するのを支援するとしている。TorrentSpyは、同社には多くの合法的なユーザーがおり、同社はデジタルミレニアム著作権法(DMCA)により保護されていると主張していた。DMCAにはインターネットサービスプロバイダを保護するセーフハーバー条項があり、ユーザーが犯した不法行為に対し、プロバイダは責任を負わないとしている。
MPAAは、TorrentSpyの決定に対しコメントすることを避けた。
TorrentSpyの弁護士であるIra Rothken氏は27日、米国居住者による利用閉鎖という決定は、同社のコンピュータ上のRAMからユーザー情報を提出するようにという最近の裁判所命令に対する同社の控訴に影響を与えることはないと述べた。
Rothken氏はCNET News.comのインタビューに対し、「これは、米国住民やインターネットユーザーに対し、考えているほど自分のプライバシーは保護されていないことを警告するものである」と述べた。「GoogleやYahooなどの検索エンジンも注意するべきである。彼らもいつの日かプライバシーに関するこのような攻撃を受ける可能性があるだろう」(Rothken氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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