ベンチャー企業の投資動向を調査するNPO法人Japan Venture Research(JVR)によると、2008年に新興市場に上場したベンチャー企業の資金調達額が、2007年の状況と比べて下落していることが明らかになった。この調査はJVRによって毎月公表されているもので、今回の調査では2008年1月から12月までに日本の新興市場に上場し、かつベンチャーキャピタルが投資をしたベンチャー企業を対象にしている。
2008年に日本の株式市場に上場した企業は49社(2007年は121社)で、このうち東証マザーズやジャスダックなど新興市場に上場した企業は42社(同107社)ある。この42社のうち、ベンチャーキャピタルが上場までに投資をしている企業は36社(同77社)だった。いずれも2007年に比べて6割程度少なくなっている。
なお、今回の調査は詳細なデータが明らかになっていない1社を除いた35社を対象としている(以下、値はすべて中央値)。
2008年は2007年と比較して上場社数が大幅に少なくなっているほかに、大きく下落したのは、株式上場時の資金調達額や初値PER(株価収益率)、初値時価総額だ。上場時の資金調達額は2007年には3億7600万円だったのに対し、2008年は2億5300万円と33パーセント下落している。
また、初値PERは29.94倍から11.62倍、初値時価総額も62億9000万円から31億4300万円といずれも50パーセント以上の下落となり、企業に対する市場の評価が昨年に比べて厳しくなってきていることが鮮明となった。しかし、市況が悪化する中でも、グリーのように株式上場時の資金調達額が36億8300万円、初値PERが170倍以上と好調な企業もあったことも付け加えておきたい。
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