富士通総研などが8月30日に発表した「Web 2.0」と呼ばれるユーザー参加型サービスを提供するネット企業の実態調査によると、Web 2.0企業はユーザー参加型ではない一般的なネット企業と比べ、成長速度が速い傾向にあるとしている。株式公開の時期や対象企業数などが異なるため、発表データの単純比較はしづらいが、より効率的な資金調達や事業拡大が実現した一面を浮き彫りにした。
ただ、株式公開時のPER(株価収益率)が高水準だった一方、現状の比較的低調な株価推移などを勘案すると、若干、バブル状態にあるとも指摘している。
発表したのは「Web 2.0企業の実態と成長の動向」。「ユーザー参加型の仕組みあるいはそのための技術開発を行うビジネス」をWeb 2.0と定義し、ミクシィなど17社をWeb 2.0企業として抽出。国内ベンチャーキャピタル(VC)の投資実態をデータベース化しているNPO法人、Japan Venture Research(JVR)と共同で調査した。
これによると、株式公開時の時価総額は一般的なネット企業(103社)と比べ、平均で2.3倍の611億8500万円。公開時の平均PERは80ポイント高い301倍で、市場の期待は高いとしている。
また、最初の第三者割当増資で時価総額が5億円未満だった企業群においては、その後2年半で3回増資を実施し、その結果として平均時価総額が9億8066万円と10億円近い時価総額に増大。売り上げは8倍、人員も6倍となっており、急成長と呼べる伸び率を示した。
調査を担当した富士通総研経済研究所上級研究員の湯川抗氏は、「全般的に急成長している印象を受けるが、PERを見ると“ミニバブル”の様相を呈している。実際、直近で時価総額が数%になっている企業もあり、Web 2.0企業に対する過剰な期待感があったことや、経営者が調達資金を有効活用できていない傾向にあることなどが、現状の市場評価の一因になっていると考えられる」としている。
今回の調査でWeb 2.0企業と定義されたの以下の17社。
・ミクシィ
・インタースペース
・ウェブドゥジャパン
・カカクコム
ディー・エヌ・エー
・一休
・アドウェイズ
・ゴルフダイジェスト・オンライン
・ネットプライスドットコム
・マクロミル
・エキサイト
・アエリア
・ソニーコミュニケーション
・ドリコム
・オウケイウェイヴ
・フリービット
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