ロサンゼルス発--「Windows 7」には、PCとそのユーザーが世界のどこにいるのか、ソフトウェアでの特定を簡単にする新しいプログラミングインターフェースが搭載されている。
これにより、近くにいる友人の位置を知ることから「LoJack」のようなPC追跡プログラムにまで多岐にわたり、まったく新しいタイプの包括的な位置情報サービスが容易に実現するはずだ。さらに、検索エンジンがユーザーの居場所を把握していれば検索の精度がいっそう向上する可能性がある。実際、検索サービス使用時はまさしく、位置情報によって得られる便宜を図り、都市名と所在地を入力することが多いのである。
Microsoftのプログラム担当マネージャーであるAlec Berntson氏も、「現在位置を入力しなければならないことは、よくあることだ」と述べている。
けれども、位置情報サービスの利用が広がれば、さまざまなプライバシーの問題が生じる可能性もある。
これらの問題とその対処法は、11月に入って同地で開催されたWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)で議題になった。
Microsoftはこのインターフェースをバックグランドで動作させないとはしている。デフォルトでの位置情報サービスをオフにし、特定ユーザーかアプリケーションにサービスを制限する機能など、さまざまな制御上のオプションが用意されている。しかしWindows 7のOSでは、特定のアプリケーションにのみユーザーの位置情報へとアクセスさせる操作はできない。よってたとえば、マッピングアプリケーションでの使用で位置情報サービスをオンにすると、動作中のほかのWindowsアプリケーションもその情報にアクセスしてしまう可能性がある。
Berntson氏がWinHECのディスカッション席上で述べたところによると、その理由として、Windowsには、アプリケーションが表示されている通りのものであるか判断するための確実な手段がないことが挙げられるという。そのため位置情報を特定のアプリケーションに制限しようとしても、容易になりすましが行われる可能性がある。
「われわれは、現実的に可能な制御の提供を約束するのみであり、できる以上のことを約束しようとはしない」(Berntson氏)
とは言うものの、アプリケーション指定制御は、「あればすばらしく、クリスマスの購入希望リストにぜひ載せたい」と同氏は述べた。
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