GoogleとYahooが、両社の提携実現のため、万難を排して闘うことを、敢えて選ぼうとしなかったのは、それほど驚くべきことではない。Googleは、MicrosoftがYahooの全社買収や、同社の検索部門買収を試みていた時に、Googleにとっても大きなライバルであったYahooに対して、進んで助け舟を出した。だが、今では、新たにYahooの取締役員に就任したCarl Icahn氏こそ、依然としてMicrosoftからの買収案に興味を抱き、他の関係者も、買収交渉の再開は可能と考えているかもしれないが、もはやMicrosoftは、それほどGoogleにとって脅威ではない。
また、純粋に金銭的な観点からしても、Googleは、今回の検索広告分野の提携で、Yahooほどには、得られるものも多くなかったようだ。Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は10月に、多くの検索売り上げを、一般的にはGoogleが、実際に広告を掲載する広告パートナーに取らせていると語っていた。
さらに、なぜGoogleが、今回の提携を貫く闘いをしようとしなかったのかは、(別の意味でも)明白である。間違いなくGoogleは、すでにディスプレイ広告大手のDoubleClick買収の際に、厳しい状況に直面するのを余儀なくされ、必要以上に規制当局の不信感を煽ることは避けたいと願っているのだ。
Googleのたどってきた歩みを振り返れば、より詳細なる政府機関の調査の手が及ぶのも当然である。検索および広告という、最も重視してきた分野において、インターネット上でのGoogleの優位性は、一層高まってきており、現在では明らかに、第3の野望として、ウェブベースのアプリケーションという分野をも手に入れたいと強く望んでいる。
これまでYahooとGoogleは、両社提携を成功させるため、議会や米国民、規制当局などに、提携案への理解を得るべく、熱心なロビー活動を展開してきた。当初、Schmidt氏も、独占禁止法違反への懸念を払拭する上で、両社は順調に物事を進めることができたと述べ、提携成功を確信していることすら示唆していた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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