米司法省が6月に取り決められたGoogleとYahooの広告提携について公式調査を開始したと、The Washington Postが米国時間7月1日夜、調査に近い消息筋の話として、同紙ウェブサイトで報じた。
匿名の消息筋が同紙に語ったところによれば、調査官は、Google、Yahooに加え、大手インターネット、メディア企業からも文書を集める方針だという。
この件についてYahoo、Googleにコメントを求めたが、即答は得られなかった。
Yahooは以前、検索広告での提携を実施する前に、司法省が提携を審査できるよう、3カ月半の猶予を与えると述べていた。
Yahooは6月、ライバルであるGoogleがYahooに検索広告を提供する包括的提携を発表した。これにより、Yahooの検索売り上げは増えるかもしれないが、同時にGoogleの市場支配力がさらに強化されることになる。Yahooは、この10年間の提携により、1年目の売り上げが8億ドル増加し、営業キャッシュフローが2億5000万ドル〜4億5000万ドル増えると予想している。
提携にまつわる独占禁止法の懸念を払拭するため、Yahooの最高経営責任者(CEO)であるJerry Yang氏は6月、連邦議会を訪れ、上院の反トラスト小委員会の委員長であるHerb Kohl上院議員(民主党、ウィスコンシン州選出)と対談した。
Kohl氏は以前、技術検索のライバルである2社の提携は競争に影響を及ぼし、広告主、消費者に悪影響を与える可能性があるという懸念を表明した。その際、反トラスト小委員会で提携による競争、プライバシーへの影響を調査すると述べていた。
提携の考えは、MicrosoftがYahooを買収しようとした最中に表面化した。これにより、Yahooはよりいっそう財務成績の改善を迫られた。
4月に行われた2週間限定の検索広告での提携について、GoogleとYahooは成功だったと発表したが、この期間限定の提携さえも独占禁止法違反ではないかというMicrosoftの反発を招いた。検索広告の試験運用が開始された際、Microsoftは独占禁止法違反に関する懸念を表明し、この動きが検索広告ビジネスでのGoogleの支配をさらに強化すると述べた。
Googleは、検索広告はオンライン広告市場のごく一部に過ぎず、グラフィカルな「ディスプレイ」広告の分野ではYahooが最強の企業であると反論した。
Hitwiseの最新の数字によれば、5月の米国の検索市場におけるGoogleのシェアは68.29%に達した。一方、同時期のYahooの市場シェアは20.28%から19.95%に下落した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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