Googleと米Yahooの検索広告分野における提携が論議を呼んでいるが、この提携が新たな打撃を受けた。公益団体Center for Digital Democracy(CDD)は米国時間9月25日、上院反トラスト委員会の委員長宛てに両社の提携に反対する書簡(PDFファイル)を送付した。
CDDが上院反トラスト委員長のHerb Kohl上院議員(民主党、 ウィスコンシン州選出)に送った書簡の内容は、同氏が米司法省に対し、両社の提携に反対するか、あるいは少なくとも提携案に対する「意味のある保護措置」を講じるよう要請することだった。
またCDDはKohl氏に対し、両社の検索広告提携から生じる恐れのあるさまざまなプライバシー問題、および、両社の提携により市場内競争の衰退を招く恐れに対処するよう反トラスト監督機関に働きかけるよう求めた。CDDは、プライバシーなど、さまざまな問題について意見を述べる団体として知られる。
米国が可能な限りの手段を尽くして重要なデジタル広告市場における競争を促進することは極めて重要だ。とりわけ、デジタル広告が、オンラインの編集コンテンツをサポートする主要手段としての新しい重要な役割を果たしていることを考えればなおさらだ。今、両社の提携への対策、たとえば、提携に反対したり、あるいは、少なくとも提携に意味のある条件を課すなどの措置を講じなければ、米国経済にとって極めて重要なセクターにおける競争が著しく損なわれることになるだろう。
またCDDは同書簡の中で、すでに7月に米司法省にもこの提携に対する異議申し立てを行ったと述べている。
米国の反トラスト監督機関は先ごろ、両社の提携案に対する焦点を以下の2点に絞った。まず、短期的に提携が広告掲載料の値上げにつながるか、そして長期的にはYahooのオンライン検索広告市場からの完全撤退につながるのではないか、というものだ。つまり、プライバシーは反トラスト監督機関にとって関心事項ではない。これは、CDDにとっては極めて残念なことだ。
提携案では、Googleの有料広告がYahooの検索ページ上に表示されることになりそうだ。これにより、Yahooは最初の1年以内に8億ドルの増収を見込んでいる。また、市場勢力図に関しては、Googleは検索広告市場で、ライバルのYahooとMicrosoftに対し圧倒的優位に立っている。
またCDDは、両社の提携は、(検索広告市場における)競争を損ない、両社のオンライン検索広告や関連サービスから収入を得ている新聞社は、最終的に広告収入が減るのではないかとの懸念も指摘している。
このようにYahooとの提携案に対してさまざまな団体が論争に加わる中、Googleもじっとしているわけではない。
同社は25日、Yahooとの提携に関するFAQ(よくある質問)サイトを立ち上げた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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