実際、G1はほかのスマートフォンにはまねできないエクスペリエンスを提供する。「Gmail」や「Google Search」などのGoogleアプリケーションが携帯電話の住所録にしっかりと統合されているため、簡単かつ直観的にすばやく電子メールを送信したり、ウェブリンクを転送したりすることができる。また、G1にはGPS機能が組み込まれているため、ユーザーは携帯電話で「Google Maps」の「Street View」を利用できる。さらに、内蔵コンパスにより、携帯電話の向きを変えることで、行き先の方向に合わせてナビゲーションを行うことができる。
しかし、売り上げの点で実際に市場に及ぼす影響という話になると、T-MobileとGoogleにはやらなければならないことがたくさんある。企業メールのサポートがなければ、少なくとも短期的には、米国市場のリーダーであるRIMやWindows Mobileから市場シェアを大きく奪う可能性は低い。
また、G1は、AppleのiPhoneに対して巻き返しを図らなければならない。iPhoneは売り上げという点では市場を支配していないかもしれないが、勢いを増している。多くのアナリストは、2008年中にAppleが1000万台出荷という目標を超えることはないかもしれないが、達成すると予想している。
ほかの携帯電話との競争でG1にとっての最大の障害の1つは、T-Mobileのサービスエリアがほかの大手携帯キャリアよりも小さいということだ。そのため、AT&Tと契約しているiPhoneユーザーや、Sprint Nextel、Verizon Wirelessと契約しているWindows Mobileユーザーの中には、T-Mobileではエリアが十分に得られない人もいるだろう。
しかし、T-Mobileは多くの主要都市で利用可能だ。さらに、Brodman氏は9月23日の報道機関向けのイベントで、同社は現在、3Gネットワークを拡大しており、G1の発売時には22の市場が3Gに対応し、2008年中に27の市場で3Gネットワークが稼働する見通しだと述べた。そうなれば、T-Mobile契約者の約80%が同社の3Gネットワークを利用できるようになる。
サービスエリアが消費者にとって問題にならなくなれば、特にT-Mobileの積極的な価格構成により、G1がiPhoneと互角に張り合えるかもしれない。2年契約付きで179ドルで販売されるG1では、契約者は2つのサービスプランから選ぶことができる。いずれのプランも音声プランへの契約が必要だ。月額料金が約35ドルの最も基本的な音声プランでは、月25ドルの追加、すなわち合計60ドルの月額料金で、無制限のウェブ閲覧と400通のテキストメッセージの送受信が可能になる。また、35ドル追加した場合、合計70ドルの月額料金で、無制限のウェブ閲覧と無制限のテキストメッセージの送受信が行える。
この契約は、音声サービス、無制限のインターネット利用、メッセージングなしで70ドル以上するAT&TのiPhone向けプランを意識している。AT&Tの契約者がテキストメッセージを利用したい場合、さまざまな追加料金プランから選べるが、無制限のテキストメッセージプランの場合、月20ドル以上かかる。T-MobileのG1ユーザーの月70ドルと同様のサービスプランをAT&TのiPhoneで利用しようとすると、合計約90ドルの月額料金が必要になる可能性が高い。
差し当たり、G1がどこまでやれるか見守るしかないが、市場で唯一のGoogle Android携帯であるG1は、単なる好奇心から、売り上げが短期間で上昇するかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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