利用者増加に拍車をかける「アメブロ」--これまでの変遷と今後のビジネスを分析する - (page 2)

原田和英(アルカーナ)2008年09月03日 12時48分

 もっともここまでの道のりは平坦ではなかった。過去には、フィードの仕様などでの課題や芸能人ブログの特別な仕様でいわゆる「炎上」に準じたことが起こることもあった。しかし、今では日本最大規模のブログポータルとなっている。  収益化の方法も見てみよう。従来からの収益源としてバナーをはじめとした広告があったが、昨今では「ブログ製本サービス『アメブロde本』」や「人気著名人ブログを活用した広告商品開発」という商品で女性モデル3名のブログを付加価値のつけた媒体として販売している。また、著名人オフィシャルブロガーを対象にしたクチコミネタ配信サービスでは、著名ブロガーに対して編集部と企業からによるクチコミネタの配信するというサービスも展開。多様なマネタイズの施策が打たれている。

 では、そのような人気のアメブロの中身を簡単に見てみよう。

 まずユーザーには1つのルームが与えられる。そこでは自分のプロフィールを公開し、各種機能へのリンクが準備されている。いわばSNSのマイページのようなものだ。その中の1つにブログがある。ブログでは「読者になる」という機能によって、自分のブログがどれだけの人に見られているかを知ることができる。これは一方通行であり、Twitterのfollowにも似た機能だと言える。記事は特定の友人に見せることも可能。この点もSNSに似た機能と言えるかもしれない。また、提供される記事のネタを使って評価を競う「口コミ番付」というブロガーへのモチベーション機能もある。

 また、「フォト」という写真の共有機能や「プレゼント」という機能も備える。プレゼントでは友人や著名人にうちわやご祝儀袋、マッサージチェアなどの画像を送ることができる機能。「アメゴールド」という単位の通貨で支払う。1アメゴールド1円で、これらは自分のページに飾ることもできる。Cyworldやモバゲーで見ることができるアバター用グッズに近いものがあるだろう。

 ほかには、他者に相談や質問を投げかけることができる「リクエスチョン」という機能がある。特定の人に向けた人力検索と言えば良いだろうか。不特定多数ではなく、特定の人に投げることができるというのが特徴で、その人の特徴を裏付けるブログメディアならではの機能だろう。ここでもアメゴールドという通貨を利用する。

 このようにアメーバといえば「ブログ」が著名で実際に大きな存在だが、それをサポートするようにユニークな機能も準備されている。また、芸能人やタレントを囲い込んでいるという強みを使った広告商品を展開するだけでなく、独自の通貨を使ったマネタイズも準備されている。

 このように複合的な強みを持つサービスがアメブロの強みと言えるのではないだろうか。

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