Microsoftの「DirectX」、Appleの「Open CL」などのAPIを活用できるとSeiler氏は述べている。「Larrabeeには専用のAPIは必要ない。標準的なグラフィックスAPIよりも優れているため、既存のゲームはLarrabee製品で動作可能だ」(Seiler氏)
それでは、Larrabeeの市場での可能性はどうだろうか。現在、グラフィックスチップ市場は年間4億基に迫っており、一握りのメーカーに統合されつつある。「独立GPU市場では、ATIとNVIDIAの2社が98%を占めている」とPeddie氏は述べている。
「市場の傾向をたどっていくと、横ばいになり、衰退していくことがわかる。(中略)しかし、Intelは何の実績もない新興企業ではない。現在、この市場に参入するには、大規模なインフラ、豊富な知的財産、優れたマーケティング能力が必要だが、Intelにはこれら以上のものがある」(Peddie氏)
詳細はSIGGRAPH 2008で提供されるが、Larrabeeの主な特徴は以下の通り。
Larrabeeのプログラミングモデル:一般的でないデータ構造を使うものも含め、さまざまな並列性の高いアプリケーションをサポートする。これにより、グラフィックスAPIの開発、新しいグラフィックスアルゴリズムの迅速な革新、従来のPCソフトウェア開発ツールを使ったグラフィックスプロセッサでの真の汎用計算が可能になる。
ソフトウェアベースのスケジューリング:Larrabeeには、機能が固定されたロジックではなく、ソフトウェアを使って実行されるタスクスケジューリングが採用されている。そのため、レンダリングパイプラインなどの複雑なソフトウェアシステムは、各作業負荷で必要とされる計算能力によってリソースのスケジューリングを調整できる。
実行スレッド:Larrabeeのアーキテクチャは、スレッドごとに異なるレジスタセットで、コア1基当たり4つの実行スレッドをサポートする。これにより、シンプルで効率的なインオーダーパイプラインの使用が可能になるが、並列性の高いアプリケーションを実行する際の、より複雑なアウトオブオーダーパイプラインの待ち時間を隠すメリットの多くが維持される。
リングネットワーク:Larrabeeでは、1024ビットの双方向リングネットワーク(一方向512ビット)が採用されており、エージェントは互いに短い待ち時間で通信できるため、コア間の超高速通信が可能になる。
「このベクトルプロセッサの主な特徴は、Intelがベクトルコンプリートと呼んでいる特性だ。(中略)16のピクセル、16の頂点、16の一般的なプログラム指示を並列実行できる」(Seiler氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」