Gates氏はOzzie氏を初めとする何百人ものトップマネージャーと何年もの時間を過ごしており、彼らはGates氏の労働観や思考法に慣れているに違いない。彼らはソフトウェア開発、未来への展望の持ち方、ビジネスマネジメントに関する「Bill Gates学校」に通っていたのだ。これは、彼らがGates氏のようにロッキングチェアでくつろいだり、演説に「スーパー」という単語をちりばめたりし始めているという意味ではない。Ozzie氏はGates氏よりも温和なスタイルを持っているが、ソフトウェアアーキテクトのビジョンを伝達する方法は1つではない。
Gates氏の代わりがつとまる人間はいない。しかしそのことが問題なのではない。Microsoftは複数の事業を展開して500億ドル以上の売上高を稼ぎ出し、きわめて堅調な利益を上げている。そして、多くの方面で戦いをくりひろげている。特にGoogleとの戦いは激しく、Googleは検索広告を販売するだけでMicrosoftの半分近い売上高を上げることができる。これはGates氏が過去数年間で解決できる問題ではなかった。
Gates氏がMicrosoftにもたらしたものは、焦点、知性、粘り強さであり、これが同社を前進させた。これは、自信にあふれ、IBMのような既存の巨人を征服することに喜びに感じるような秀才を、世界中から採用することによって繁栄した文化である。現在ではMicrosoft自身が巨人であり、Googleに同様の秀才たちがいて、時には高慢と解釈されるほどの最高の自信を持っている。
Gates氏は会長としてはその地位にとどまる。もし危機が起こったらGates氏はそれに関与することになるだろう。Gates氏は、会社の指揮権をKevin Rollins氏に委譲し、会社の業績が低迷した3年後にCEOの地位に復帰したMichael Dell氏の例にならうこともできるだろう。
しかし、Microsoftの課題は同社におけるGates氏の役割を果たすことや、Gates氏なきあと計画性を失ってしまうことではなく、Microsoftにやってきて1日16時間製品の開発に従事してくれる秀才を集めることである。この点においてはFoley氏の言うことが正しい。Microsoftは最高レベルの秀才を引きつける必要がある。そのためには、彼こそは約束の地に連れて行ってくれると社員が信じることのできる天性のリーダーが必要である。Gates氏が主導して、Ozzie氏と同氏のチームによって引き継がれたソフトウェア+サービスのビジョンが十分に革新的であり、Microsoftの今後の10年に必要な人材や技術的な才能を引きつけられるかどうかはまだわからない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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