しかしその同じ回答者の60%は次に購入するiPodはiPod touchになるだろう述べている。そして68%は音楽プレーヤー/携帯電話の組み合わせを選択肢として与えられたら、最も欲しいのはiPhoneだと述べた。この種の上位機種への買い換え(8GバイトのiPod touchなら299ドル、32Gバイトモデルなら499ドルから)によって、AppleはベーシックなiPodモデルの成長の鈍化をiPod touchによる強力な売上高と利益によって相殺することができ、その間にiPhoneという全く新しいキッシュの源泉を追加することができる。
iPod touchとiPhoneは単なる音楽やビデオのプレーヤー以上のものである。インターネットに接続でき、電子メールを送信でき、間もなくAppleによって正式に承認された数多くのゲームやアプリケーションを実行できるようになる。
チップがますます小型化し、高性能化し、低価格化するにつれて、Appleが、さらなる機能を持つ「iPod shuffle」や「iPod nano」といったiPodの他のバージョンを増強することができるのは当然である。確かに、各デバイスに搭載するストレージの容量を増加し続けることができるし、われわれの調査に回答してくれたMP3プレーヤーの購入者の最も強い要望がストレージ容量の増加だった。また、Wi-Fi機能が将来のiPodに対して2番目に求められている機能だった。
どこかの時点で、MP3プレーヤー市場は少なくとも3つのビジネスに分かれるように思われる。非常に具体的な好みに合わせた小型のスタンドアロンの音楽およびビデオプレーヤーを量産するローエンドのコモディティビジネス、ハイエンドのポータブルコンピューティングビジネス、そして、その時点で199ドルを中心とした上下50ドルの範囲内でなるべく多くのコンピューティング機能をiPod touchに搭載する3番目のカテゴリである。
この3つの頭を持つモンスターは近い将来に登場すると思われる。その時点で、たとえローエンド市場でも、Appleを犠牲にして意味のある利得を得られる競合他社は登場するようには思えない。これは、人々がいまだにデザイン、ブランドの認知、より多くのストレージに対するニーズに基づいてMP3プレーヤーを購入していることを示唆している。
しかしその傾向が変わったとしても、Appleはおそらく利益率の低いコモディティビジネスには多くの労力を投入したいと思わないだろう。iPodのブランドは携帯音楽プレーヤーの世界では簡単に最強になれるが、市場のローエンドが無数の分野に分かれるにしたがって(USBメモリのことを考えて欲しい)、Appleはウィジェットを量産する方法を知っている他の家電メーカーに対して実質的な優位を保つことは全くできなくなるだろう。
また、基本的な携帯電話は、ますます単純な音楽再生機能を備えるようになっているとNPD GroupのアナリストであるRoss Rubin氏は述べている。そしてどこかの時点で、より多くの機能を追加するメーカーの能力は、平均的な個人の音楽ライブラリの成長を上回ることになるだろうとRubin氏は指摘する。
iPhoneとiPod touchは、Appleが持ちたいと思っているような種類の利益率の高い革新的な製品である。多くのメーカーがひしめき合っている市場では、自社を差別化する何らかの方法を見つける必要があり、Appleは従来から使いやすい優れたデザインを持つハイエンド製品の製造に注力してきた。
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