タウン情報検索「30min.」、スパム排除で“使える”クチコミを

鳴海淳義(編集部)2008年04月09日 18時08分

 ブログのクチコミ情報を本当に見やすい形で表示するサイトが登場した。「30min.」は地域ごとの情報をブログから収集して再構成する。コンセプトは、ウェブ版のクチコミタウン誌だ。

 トップページを開き、沿線と駅から地域を選択するだけで、当該地域に関するブログエントリーが表示される。単純にキーワードとして地域名が出てくること以外に、店舗名、電話番号なども拾うため、その中身は実際に“使える”情報となっている。主に地域の飲食店に関するレビューが並ぶほか、観光地、公園、お花見、不動産情報なども多い。

30min.jp「グルメマップ」というタブを開くと、Googleマップ上に飲食店のクチコミ情報が表示される。(クリックすると拡大します)

 クチコミ情報の宝庫であるブログも、その4割がスパムであるという調査結果に見られるとおり、実際に情報源として利用するのは困難だった。そこで30min.が目標としたのは、「既存のブログ検索で地名をキーワードに検索するよりもクリーンな結果を出すこと」(運営会社サンゼロミニッツ 代表取締役社長の谷郷元昭氏)。

 ホワイトリスト形式でスパムを排除し、タウン情報を配信している首都圏10万件のブログから良質な1万件のブログを、更新頻度などを基準に目視で精査。内容を自動解析し、個人運営ブログをメインに地域ごとの検索結果として出力した。

 見た目には一般人向けのタウン情報検索サイトだが、裏側ではRSSフィードで収集したブログ記事を自動解析し、地域ごとに分類しているため、セマンテックなフィードリーダーとしての機能も果たしている。ただし、ユーザーには意識させないようにした。フィードリーダーライクなインターフェースは、一般的なインターネットユーザーには敷居が高いとの考えからだ。

 サイト開設の背景には、首都圏の商業施設が乱立していること、共働きの家庭が増え、地域のふれあいよりもネットでのコミュニケーションが目立ってきたことなどがある。これらの受け皿としてブログのクチコミを利用しやすい形で提供することを目指す。

 まずは東京・神奈川でサービスを開始し、2008年中に全国展開する計画だ。収益源はエリア広告などのほか、専門サイトへの送客アフィリエイトがメイン。個人情報保護法などで難しくなってきたポスティングの代替手段としての利用を見込む。地域でターゲティングしているため、送客率も高いという。

 今後は、商業施設や店舗、自治体が発信するRSS情報も検索対象に加えていくことで、単なる地域ブログ検索サイトではなく、地域に関する新着情報の総合検索サービスへと発展させる予定だ。

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