青少年が利用しても問題のないモバイルサイトを認定する第三者機関「有限責任中間法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」(略称:EMA)が4月8日、発足した。同日より会員を募集し、6月よりサイトの認定作業を始める考えだ。
EMAは、各携帯電話事業者が提供する有害サイトフィルタリングサービスによってアクセスできなくなるモバイルサイトのうち、青少年が利用しても問題ないサイトを審査、認定し、フィルタリング対象外とするよう促す機関だ。現在提供されているフィルタリングサービスではソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やブログ、政党等のサイトが一律ブロックされてしまうためコンテンツプロバイダーから反発の声が上がっていた。
認定の具体的な手順としては、まず、EMAがサイトの管理体制等に関する基準を策定し、その基準に合致するかどうかを審査する。審査期間は約1カ月となる見込み。認定後も、EMAはサイトの運用状況について監視し、問題がないかを確認する。また認定期限は1年で、その後は1年ごとの更新制となる。
EMAでは認定サイトのリストをフィルタリング会社に提供し、青少年がアクセスできるように働きかける。
認定基準は、コンテンツプロバイダーなどで構成された検討ワーキンググループが案を策定。その後、第三者の学識経験者約10名からなる基準策定委員会が決定する。基準の内容は5月29日をめどに決定する予定で、コミュニティサイトにはユーザーの啓発、教育プログラムを義務付ける、といったことを考えているという。内容は決定次第、一般にも公開される予定だ。
サイトの審査等は、第三者の学識経験者約5名からなる審査・運用監視委員会が担当する。サイトユーザーからのクレームも受け付け、サイトの運営に問題があった場合は、改善を指示、もしくは認定を取り消す。
基準策定委員会、審査・運用監視委員会ともに、消費者団体やPTAなどからなる諮問会議から意見を聞く場を設け、利用者側の考えを反映していく方針だ。また、現在のところ、総務省など行政関係者は参画していないといい、「天下り先」との批判をかわす狙いのようだ。
EMAの会費やサイト審査料については未定。「1年を通じてサイトを監視する必要があるため、そのコストを算出している段階」(モバイル・コンテンツ・フォーラム事務局長の岸原孝昌氏)。ただし、サイトの規模等によって料金を変える考えとのことだ。
EMAでは4月30日に設立記念総会を開催する。これまでに150社の会員を集めたい考え。すでに設立発起人として、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、ウィルコム、イー・モバイルという携帯電話事業者5社のほか、インデックス、サイバード、ディー・エヌ・エー、魔法のiらんどなどのコンテンツプロバイダーが名を連ねている。設立発起人の一覧はEMAのサイト内に掲載された設立趣意書から閲覧可能だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」