日本のインターネット産業の未来を、大きく揺るがす可能性のある極めて重要な法案が、自民党と民主党からそれぞれ今国会に提出されようとしている。話題になっているモバイルフィルタリング問題も内包しており、この法律がそのまま施行されれば、インターネットに関わるすべての事業者、人たちに多大な影響を与えそうだ。
CNET Japanでは、各党が準備を進めている法律案の骨子にあたる資料を入手した。それは、自民党の「青少年の健全な育成のためのインターネット利用による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案骨子(案)」(以下、自民党案)と、民主党の「子どもが安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案(骨子たたき台)」(以下、民主党案)の2つだ。
自民党案は、前少子化担当相の高市早苗議員を中心とした党青少年特別委員会がまとめ、3月19日に議員立法案として内閣部会に提出したようだ。また民主党案は、4月2日付けで違法・有害サイト対策PT座長の松本剛明議員、同事務局長の高井美穂議員の連名で、『次の内閣』閣議提出資料として出された「子どもが安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律案中間報告」に付与されていた資料だ。
両案の内容は、たとえば使われている言葉に「青少年」「子ども」などの差異は見られるものの、共に定義としては「18歳に満たない者」とするなど、極めて酷似している。
実際に法案の条文まで策定している自民党案から、肝心の内容を簡潔にまとめよう。この法案の目的を一言でいうと、「健全に育成するために、どんな端末からであろうが18歳に満たない人がインターネットを利用した際に、有害な情報を閲覧できないようにすること」となるだろう。実際には以下のとおり書かれている。
この法律は、インターネットにおいて青少年の健全な成長を阻害するおそれがある情報が流通し、青少年のインターネット利用の良好な環境を整備する必要性が生じていることにかんがみ、インターネットを利用して青少年により青少年有害情報が閲覧されることを防止するための措置等を講じ、もって青少年健全な育成に資することを目的とすること。
この目的を達成するために、内閣府に「青少年健全育成推進委員会」を設置し、この委員会が有害情報の基準を定める。この基準には、性や残虐性、犯罪、自殺、売春、心身の健康、いじめ、非行などに関連する6つの情報が示されている。
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