セールスフォースCEO、ソフトウェアサービスの未来を語る(後編) - (page 2)

文:Charles Cooper(CNET News.com) 翻訳校正:大熊あつ子、矢倉美登里、佐藤卓、福岡洋一2008年03月24日 08時30分

--その文脈で考えた場合、あなたは「プラットフォーム」をどのように定義しますか。

Benioff:プラットフォームとは、それを軸にエコシステムが発展できるものです。そのことを私たちは、この業界で何度となく見てきました。

--ですが、PaaSについてはどうでしょうか。

Benioff:これはまったく新しい概念です。たしかに、eBayはさまざまな意味においてPaaSでしょう。eBayにはそれを中心として発展しているエコシステムがありますから。しかし私たちが言うのは、サービスとしての「.Net」とか、従来のアプリケーションサーバをサービスとして提供するとか、そういった方向のものです。以前ならユーザーはOSとデータベースとアプリケーションサーバを購入しなければなりませんでしたが、それらがすべて、マルチテナント型の共有サービスとしてユーザーの元に届けられるようになるのです。これは、企業のIT部門にとっては本当に目の覚めるようなことです。新しいアプリケーションを開発するのに、ソフトウェア業界につきものだったリスクに投資しなくて済むのですから。

--つまり、あなたが9年前に唱え始めた「ソフトウェアの終焉」というスローガンはもう不要だということですか。

Benioff:いえ、それを拡大しているのだと思っています。ソフトウェア開発プラットフォームについては、実際に今、ソフトウェアは終焉を迎えています。これは重要な鍵だと私は思います。また、それ以外にも非常にわくわくすることがあります。それは、ソフトウェアの終焉をもたらすのが、MicrosoftやIBM、Oracleといった既存の大手企業ではないだろうということです。20年前、30年前から存在する既存のプラットフォームベンダーからもたらされることはないでしょう。新興企業が次々と現れて新しい価値を生み出していくのがこの業界なのです。

--Googleや、(Zohoの)AdventNetといった企業が提供しているようなオンライン生産性ソフトウェアアプリケーションをSalesforce.comがリリースするのは、いつ頃になりそうですか。

Benioff:私たちが開発したいと考えているのは、そういったテクノロジではありません。今は中核的な分野に取り組むので手いっぱいです。

--そうするとあなたは、Salesforce.comを企業向けアプリケーションのプラットフォームとしてだけでなく、一般ユーザー向けアプリケーションのプラットフォームとしてもお考えなのですか。たとえば、次の「Facebook」が、Salesforce.comのプラットフォームをベースに開発されるといったこともあり得るでしょうか。

Benioff:その可能性はありますし、もちろん、そうなるように私たちは働きかけていきます。ただし今のところ、私たちのプラットフォームは主に企業のニーズに合わせています。具体的には、拡張性、信頼性、可用性、冗長性といったニーズです。

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