Salesforce.comの最高経営責任者(CEO)を務めるMarc Benioff氏は、長年、人前に姿を現すときにはスーツの折り襟に「ソフトウェアの終焉」と書かれたバッジをつけていた。狙いは、MicrosoftのBill Gates氏やOracleのLarry Ellison氏といった、パッケージアプリケーションを売って大金を稼いでいる大物たちを刺激することにある。
だが今、起業家として各地を飛び回っているBenioff氏なら、この古いバッジを「言ったとおりだろう」という新しい言葉が書かれたものに交換してもよさそうだ。
Salesforce.comは、会計年度第4四半期(2007年11月-2008年1月)に過去最高の売り上げを記録し、次の会計年度の売上見通しを10億3000万から10億3500万ドルの予測幅へと上方修正した。同社はサービスとしてのソフトウェア(SaaS)への流れと強く結びついた存在として認識されるようになっており、過去5年間、年間の売上伸び率は85%を記録している。
だが、今やSalesforce.comには新しい競合企業がいる。中でも、Microsoftとの衝突はこれから激しくなるだろう。Microsoftは、インターネットを介したソフトウェアサービスの提供を拡大する姿勢を明らかにしているからだ。
CNET News.comでは、Benioff氏にインタビューし、ソフトウェアサービスの将来や、Salesforce.comをより一層コンピューティングプラットフォーム化したものに作りかえる構想について話を聞いた。
Marc Benioff:いいえ。Microsoftがそうしたものを何か開発するのを私たちが待ち続けてきたとしても、まだ何もできあがっていません。ソフトウェアがサービスになっている現状の全体を見てください。彼らがどこにいるというのでしょう。
Benioff:Microsoftはやはり恐竜だと思います。Microsoftはこれまで以上に、テクノロジを中心とした自分たちの独占的立場を手放すまいとしています。SQL Serverだろうと、「NT」だろうと「Windows」だろうと、あるいは「Office」だろうと、これらはMicrosoftが手放そうとはしないドル箱なのです。
Benioff:ええ、1つについては独占だという裁定が下されたと思いますよ。
Benioff:そうですね、もちろん、同じ意味で独占的だとは言えません。けれども、重要なのは、彼らが未来を創造しようとするより過去にしがみつこうとしていることです。これは、この10年間Microsoftが持ち続けてきた非常に大きな欠点です。他のベンダーが持っているようなレベルでの革新性があるようには見えません。
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