Salesforce.comは米国時間7月16日、「Summer '07」と称する最新リリースを発表した。カスタマイズ可能なプラットフォームサービスへの移行を強調している。
同社はSummer '07の目玉機能としてApexを盛り込み、新サービスへの移行を後押ししている。2006年10月に発表されたApexはJavaに似たプログラム言語で、Salesforceがホスティングするアプリケーションをユーザがカスタマイズ可能にする。
SalesforceはApexのカスタマイズ機能を、Microsoft、SAP、Oracleなどとの法人顧客獲得競争に活用したい意向である。法人顧客は、各自の需要に合わせて、既成のソフトウェアに柔軟性を求めるのが普通である。
Salesforceの最高マーケティング責任者(CMO)George Hu氏は「SalesforceはSoftware as a Service(SaaS)を超えてPlatform software as a Service(PaaS)を目指す」と述べ、Salesforce.com用アプリケーションを開発する独立系のソフトウェアベンダーの助けを得て、Salesforceは企業向けリソースプランニングソフトウェア企業らしさを増していると付け加えた。
Summer '07は「Apex Web Services API」によるオンデマンドのマルチテナントプログラム言語を備えている。Apexのコードでワークフローを管理し、複数の開発者が互いの担当アプリケーションに悪影響を与えることなく同時にアプリケーションの作成やテストを行えるApex用「Salesforce Sandbox」機能を盛り込む予定。
Summer '07のワークフロー機能は、ワークフローのルールに定型処理を取り込んだり、リードアサインメントや自動応答や電子メール通知などと結合した複雑なビジネスプロセスを処理するのにより適した新ルールを作成するための承認プロセスを盛り込んだりできるよう設計されている。
Summer '07は、SalesforceがホスティングするウェブポータルAppSpaceの改訂版も含んでいる。AppSpaceの機能により、ドキュメントの共有やマッシュアップアプリケーションなどの作成が可能になる。「Salesforce Customer Portal」と改称されたポータルサイトはカスタマイズ可能なユーザーインターフェースを備えており、企業は顧客とデータやアプリケーションを共有できる。会計部門、プロジェクト管理部門、調達部門など、社内の別の部署との連携も可能だろう。
Salesforceは同社のカスタマーポータルについて、2007年9月のサービス開始を見込んでいる。月額利用料は1ユーザ1ポータルサイトにつき5ドル。プレミアムサービスは1ユーザ1ポータルサイトにつき25ドルで、SalesforceのオンラインアプリケーションショップAppExchangeに掲載されたすべてのアプリケーションを利用できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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