これまでソニー製ハイビジョンビデオカメラの画質はHD画質(1440×1080i)が限界で、フルHD(1920×1080i)での撮影が可能なパナソニックのSDシリーズに比べるとスペック面で見劣りしていた。実際は地上デジタルとBSデジタルハイビジョン放送程度の違いしかないので、解像度の違いを確認するのは困難だが、気になる向きもいただろう。
従来のソニー製ハイビジョンビデオカメラが搭載するクリアビットCMOSセンサーの解像度は3680×2070ドットなので、フルHDの撮影画質をはるかに超えていた。しかし、映像回路の能力から記録時には1440×1080iのHD画質になっていた。今回の製品からフルHD記録に必要な映像回路やイメージセンサーが揃ったことで、フルHD記録が可能になっている。
注目したいのが大きく進化した映像パーツだ。本機は解像度だけではなく画質を左右するパーツ類が大幅に進化している。まずイメージセンサーの1/3.13型「クリアビッドCMOSセンサー」には、低ノイズを実現する「Exmor」(エクスモア)の技術を採用。Exmorは、同社のデジタル一眼レフカメラ「α700」や業務用のハイビジョンビデオカメラに採用されているノイズ軽減技術だ。
さらにCMOSセンサーから受けた映像信号を高速で処理する画像処理エンジン「BIONZ」(ビオンズ)を搭載し、より自然な映像を記録できるように進化している--と、カタログチックに説明してみたが、実際の映像はどうだろうか。テストしてみた。
画質の評価はパソコンでAVCHD方式のDVDを作成し、それをソニーのBlu-rayレコーダー「BDZ-V9」を使い再生した。表示は47型のフルHD対応の液晶テレビを使用し、Blu-rayレコーダーとの接続はHDMIを使用している。
各画質を評価した。違いは作例の花や枝の輪郭部に発生するざわつきノイズ(モスキートノイズ)にあった。高画質のFHDモードでは、ほとんどモスキートノイズは発生していないが、画質が下がるごとに発生の割合は高くなる。LPモードで鉄塔を撮影したところ、構造材が細かく入り組んだ部分では情報が飛んでしまい、潰れているのが確認できた。画質が下がるほどに動きによるブロックノイズの発生が多くなる。
しかし、最高画質から最低画質まで、その差は僅かだと感じた。前述した違いは画面に目を近づけ繰り返し再生して見つけたぐらい、画質は良好だった。まず1920×1080iのFHDモードと1440×1080iだと、じっくりと見比べない限り違いはわからないだろう。低画質でもアナログ時代に比べれば十分な画質だが、せっかくHDDを搭載しているので、最高画質で撮影するのがオススメだ。
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