まずは、AppleがノートPCのUWB対応を発表する可能性を考えてみよう。UWBというのは、数年ほど前から市場に出回り始めた技術で、短い距離で高速の無線通信を可能にする。この技術が短い距離でファイルやビデオを無線転送するのに役立つことに異論はない。だが、Appleの製品にとって大騒ぎするだけの価値があるアップグレードや変更かというと、私はそうは思わない。
AppleのノートPCに3Gの通信技術が組み込まれるという話は、特にAppleとAT&Tとの関係を考えたときには一理あると思う。Dellをはじめとする多くのノートPCメーカーが、すでにこの機能をオプションとして提供している。しかしこれもまた、Appleがマーケティングに多大なエネルギーを費やす話題には思えない。組み込み型の3G通信機能は、出張の多いビジネスユーザーには便利だが、ほかのノートPCメーカーの例を見ても人気を博しているとは言いがたい。その一番の理由はコストだ。3G通信機能をノートPCに組み込むと、価格が50〜60ドルほど跳ね上がる。そのうえ、利用するにはサービス契約が必要で、本体価格にプラスして月額60ドルほどかかる。さらに、各通信事業者が使っている技術は同一ではなく、各社のネットワークで利用できる機器は厳しく制限されているため、3G対応のノートPCを持っていてもサービスを受けられる事業者は1社に限定される。
新しいWi-Fi対応のiPodが製品ラインに追加されるなら魅力的な話だ。そもそも、「iPod touch」とiPhoneはどちらもWi-Fiに対応している。しかし、Appleは2007年9月にiPodシリーズを一新したばかりなので、これもMacWorldで発表されるとは思われない。また、3G対応のiPhoneが開発されていることはまず間違いないが、発表は早くても2008年後半になるはずだ。
では、結局のところ、「There's something in the air」という横断幕で、Appleは何を伝えようとしているのだろうか?
ひょっとすると、無線通信技術はまったく関係ないのかもしれない。他のうわさとしては、その薄さと軽さから「MacBook Air」と名付けられた超小型のノートPCが発表されるというものもある。この小型MacBookは、Appleの現行ノートPCラインナップで最も大きい「MacBook Pro」と比較すると、厚さも重さもほぼ半分になっているとのことだ。
Steve Jobs氏の基調講演で、あらゆる発表の詳細が明らかになる。CNET Networksでは1月15日の午前9時(太平洋標準時)以降、Tom Krazit記者がサンフランシスコのイベント会場から実況ブログをお届けするのでお見逃しなく。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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