世界市場と同じ比率で売っていく――世界市場にゲームで挑み続けるカプコン

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 家庭用ゲーム機の急激な性能進化。徐々にプレーヤーはその進化に順応しつつあるが、作り手はどうなのだろうか。特に日本のソフトメーカーは北米や欧州の企業に技術面で押され、国内でも徐々にその勢いを減じつつある。

 そんな中、グローバルな市場で対等に戦っている会社がある。業界でも老舗のカプコンだ。Xbox 360の市場でいち早く海外に殴り込みをかけ、「デッドライジング」や「ロスト プラネット 〜エクストリーム コンディション〜」など数々のタイトルで欧米ファンの心をきっちりと捕まえた。

 また、ニンテンドーDSやWiiなどのプラットホームで、各社がライトユーザーを中心とした製品展開をする中、カプコンは「逆転裁判」シリーズや「バイオハザード4 Wii edition」などゲーマーたちの支持を集めてる作品を数多く提供している。

 ゲーム業界のハードコアを狙うといえるその戦略の真意はどこにあるのだろうか。2007年7月に代表取締役社長に就任した辻本春弘氏に、多様化するゲーム業界の現状と、その中でのカプコンの今後について聞いた。

――ゲーム業界が多様化してきています。

カプコン 代表取締役社長 辻本春弘氏 カプコン 代表取締役社長 辻本春弘氏

 家庭用ゲームビジネスがスタートして20年強。技術の革新、ビジネスの多面化、市場の拡大などがあって、ゲーム機メーカーの戦略にもそれぞれ独自性が出てきました。

 ユーザーへのアプローチもいろいろな方向からしていかないといけない。日本だけではなく、北米、欧州、そしてアジアなどへと市場も広がってきています。

 産業が成長していく過程において多面化は必然です。これは健全な状況で、止めようとしても止まるものでもありません。さらに今後も広がっていくと思います。

――こうした状況の中、カプコンは「デッドライジング」や「モンスターハンター」など、どちらかといえばコアなゲームプレーヤーを重視しているように見受けられます。

 まず、カプコンが長年培ってきて得意としているもの、カプコンを支持していただいているユーザー層に対して注力することを考えています。我々はしっかりとゲームを作り込む、重厚な作りが得意ですから、その結果としてユーザー層がコアになっている、といわれればそうかもしれない。しかし、それは結果であり目標ではありません。

――一方、市場ではライトユーザー向けのソフト、たとえば「Touch! Generations」シリーズのようなものが多く流通しています。「逆転裁判」シリーズなどは比較的近いような気もしますが、明確にゲームであるという主張も見えます。

 やはりカプコンは「ゲーム屋」ですから。今我々が持っているリソースを活用して面白いものを展開できるなら、Touch! Generationsのようなジャンルでもかまわない。ただ、その種のソフトが売れているからそれをやろう、というようには思いません。二番煎じってのは成功しないと思うんですよね。それはうちの開発者も望んでないし、ユーザーもカプコンにそういう分野は望んでいないでしょう。まず、得手なことをやらなくてはいけない。不得手なことを今わざわざやらなくてはいけないほどタイトルに苦慮してはいません。

――次に、Wii、Xbox 360、PLAYSTATION 3(PS3)の市場におけるバランスはどう評価しますか。

 難しい質問です。特にWiiを購入しているユーザーが、従来任天堂が得意としていた家族層や子ども、といった簡単なくくりではなくなっている。「Wii Fit」のような商品も出て、どういう方が購買層にいるのか予想できなくなってきています。

 今までと違うことをやっている点については、ユーザーから良い反応があるだろう。しかし、ホントにゲームをやりたい人たちがどのハードを支持していくのかというのは早々には結論は出せない。PS3も安くなりましたし、この年末商戦の後、2008年1〜2月以降に明らかになってくると思います。

――逆に、Wiiも単なるファミリー向けのおもちゃにはとどまらないという可能性もありますか。

 もちろんその通りです。そんな簡単なものではないでしょう。任天堂さん自身が考えられてるのは新たなユーザーに向けてゲームを展開していくということですから、(Wii発売から現在までの)今までの経験値だけで語れるものではないでしょう。

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