ヤフーは12月4日、ネットオークション最大手の米eBayとの業務提携を発表した。今後はヤフーのオークションサービス「Yahoo!オークション」と「eBay」の相互乗り入れを実施していく。
両社は提携の第1フェーズとして、ネットプライスドットコム子会社のショップエアラインに運営を委託した購買代行サイト「セカイモン」を同日開設した。セカイモンでは、eBayに出品されている商品に対して日本語で入札可能だ。アカウントにはセカイモンのユーザーIDおよびYahoo! JAPAN IDを利用する。
セカイモンはeBayの商品APIを利用しており、リアルタイムに商品情報や価格情報などを表示する。価格は米ドルのほかに、邦貨に換算した参考価格も併せて表示されるようになっている。商品の説明は自動翻訳で日本語化されているが、4日時点ではあまり分かりやすい日本語にはなっておらず、今後改良していくとネットプライスドットコム代表取締役社長兼グループCEOの佐藤輝英氏は話す。
落札後の出品者とのやり取りは、ショップエアラインが代行する。落札者はクレジットカードもしくはPayPalを使って決済する。商品代金のほか、代行手数料として落札価格の15%と、商品配送料(大きさによって異なるが2000円から3000円程度)、関税がかかる。落札から1〜2週間で商品が落札者のもとに届くようにするという。
医薬品など一部の商品は、法規制により売買できない。こういった商品はセカイモンでカテゴリを外すなどして表示されないようにする。また、ショップエアラインが間に入ることで、売買をめぐるトラブルが起きないようにするという。
今後、第2フェーズとして、2008年3月末までにYahoo!オークション上でeBayの商品を閲覧、入札できるようにする。この場合も実際の購買手続きはショップエアラインが代行する。
さらに第3フェーズとして、2008年中に、eBay内にYahoo!オークションの商品を購買できる代行サイトを開設する予定だ。これにより、Yahoo!オークションのユーザーがeBayのユーザーに対して商品を販売できるようになる。この部分の購買代行事業者については現在選定中とのことだ
eBayは1999年に日本でオークションサービスを展開したがうまくいかず、2002年に撤退した苦い思い出がある。eBayインターナショナル社長のローリー・ノリントン氏は「当時は欧州地域の立ち上げなどが同時期にあり、優先順位を考慮して撤退した。しかし当時と今ではアジアにおける戦略が違う。各地で最も強いパートナーと組むのが我々の戦略だ」と語り、日本でトップの座にあるヤフーをパートナーとして選んだとした。
一方のヤフーにとっては、「オープン戦略の一環」(代表取締役社長の井上雅博氏)。eBayでは世界中から1億200万の商品が常に売買品としてリストアップされているといい、商品の大規模な拡充につながる。
セカイモンでの売り上げはヤフー、eBay、ショップエアラインの3社で分け合うという。購入代行手数料のほか、サイトへの広告掲載料などが主な収益源となる。分配比率については明らかにしていない。
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