ネットプライス、売上不振で赤字転落--サイバー「修正はない」

瀬井裕子(編集部)2007年04月26日 22時35分

 ネットプライスドットコムは4月26日、2006年11月に発表した2007年9月期の連結業績予想を下方修正した。前回予想に対し、売上高は25億円、経常利益は17億円、純利益は18億円下方修正し、赤字転落する。同社の中核事業となるインターネット共同購入サービスの売り上げ不振のため。

 この結果をうけ、同社では希望退職者の募集による人件費40%削減。役員報酬も全額から20%のカットを断行する。また、広告・販売促進費の50%削減、事務所等その他の固定費の半減などで月間8000万円の固定費を削減。さらに在庫を一括償却し、グループ内の不採算事業からは撤退するという。

2007年3月期業績予想数値の修正(▲はマイナス)
売上高経常利益当期純利益
前回発表予想(B) 150億円 3億円 0
今回修正予想(A) 125億円 ▲14億円 ▲18億円
増減額(B-A) ▲25億円 ▲17億円 ▲18億円

 下方修正したのは、売上高の急拡大を目指して行ったアパレル分野の大規模な仕入れ商品が売り上げ不振だったためだとしている。

 同社は、インターネットで購入申し込みが増えるごとに商品の価格が段階的に安くなる共同購入のギャザリング事業を中核としている。これまでは、価格の安さや他社にない品揃えを特徴としていたが、売上高の拡大を狙ったアパレル分野での明確な仕入れ基準ができておらず、他社と同様の品揃えとなった。

 また、大量の受注にも対応できるよう見込みを上回る量を仕入れたが、暖冬の影響などで売上が伸びず3億8500万円分の在庫を抱えることとなった。さらに、売り上げ拡大を見込んでの広告費拡大や増員も原因となる。

 ギャザリング事業のほか、アパレル通販子会社のエムシープラスの不振も響く。

 同社はギャザリング事業で全般的に伸び悩んでおり、固定費の大幅な削減などで利益率を上げる収益構造を再構築して、収益を回復したいとしている。

サイバーエージェント、中間売上好調も利益予想は未発表

 サイバーエージェントは4月26日、2007年9月期中間業績予想を発表した。売上高は前期実績に比べ36%増加の370億円になる。通期の売上高予想では、24.7%増加の750億円を予想している。ネット広告と投資育成事業がともに順調に伸びているため。2007年3月中間期業績予想の売上高は370億円。

 同社では「特に投資育成事業は利益貢献度が高く、ネットプライスの損益を見込んでも連結業績予想に修正はない」としている。ただし、利益予想については、ネットプライスが業績を下方修正した影響などで発表しないという。

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