米国最大手の携帯電話会社AT&Tの広報担当者、Mark Siegel氏は次のように語っている。「当社は、現在提供しているサービスを的確にお届けすることに重点を置いている。私は将来の事業内容についてコメントする立場にはないが、充実した内容のサービスをお客様に提供する態勢は既に整っており、それを全うすることが当面の課題だ」
AT&TがGoogle主導のアライアンスへの参加を躊躇している理由の1つには、Appleとの関係がある。AT&Tは米国で「iPhone」を販売、サポートしている唯一の通信事業者だ。Android搭載携帯電話のデザインと機能がiPhoneと比べてどの程度のものになるのかは現時点では明らかではないが、携帯電話でのウェブサーフィン機能という点では、少なくともGoogleのAndroidソフトウェアの方が勝ることは明白だ。
Googleの経営陣は、アライアンスへの参加企業を今後追加していく意向を示している。
「我々はこれまで、エコシステムを網羅するかたちでパートナーを配置することに取り組んできた」と語るのは、Googleでワイヤレス戦略を指揮するRich Miner氏だ。「基準を満たしている企業であれば、どの企業とも喜んで提携交渉をするつもりだ。Androidを搭載した携帯電話が今後どんどん市場に登場し、通信事業各社を魅了していくだろうと予想している」という。
Googleにとってのもう1つの大きな課題は、参入しようとしている市場に既に他社が根を下ろしていることだ。Gartnerによると、何年も前から同様の事業を推進しているSymbianがスマートフォン市場において約74%の市場シェアを誇っているという。SymbianのOSはNokiaとSony Ericssonの携帯電話に搭載されている。ただし、米国では他の国よりもスマートフォンの普及が進んでいないため、Symbianの米国における知名度はさほど高くない。
米国でSymbianのマーケティングコミュニケーションマネージャーを務めるPaul Jarratt氏は、「Googleの今回の発表は、米国のスマートフォン市場に注目を集めたという点で、業界全体にとってうれしいニュースだ」と語る。「今後注目する必要があるのは、どのようなAndroid搭載フォンが完成するかということだ。携帯電話にとってモバイルOSは決して些細な要素ではない」とも述べている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス