グーグルが仕掛けたオープン化構想--「Android」は生き残るか? - (page 2)

文:Marguerite Reardon、Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:アークコミュニケーションズ、大久保崇子、國分真人2007年11月14日 18時00分

 1990年代後半のPC市場とは異なり、携帯市場は統一性に欠けていて閉鎖的だ。ほとんどの場合、自社ネットワークを使用する携帯電話にどのアプリケーションや機能を搭載するかは携帯各社が決める。これは従来のインターネットとまったく異なる。インターネットの場合、Dell製PCとHewlett-Packard製PCのどちらを使ってインターネットにアクセスしても、ウェブサーフィンの操作性はほとんど変わらない。

 Googleは、世界各地の通信事業者をOpen Handset Allianceに参加させることによって、このハードルを乗り越えようと試みている。これまでのところ、日本からはKDDIとNTTドコモという大手2社がアライアンスに参加している。

 ヨーロッパでは、Android搭載携帯電話を提供する初の通信事業者として、Telecom ItaliaやTelefonica、T-Mobileが参加を表明している。また、携帯市場の中で最も制約が厳しいと考えられている米国では、ワイヤレス事業者トップ4のうちSprint NextelとT-Mobile USAの2社を獲得することに成功している。

 アライアンスに名を連ねていない目立った企業としては、米国の大手事業者であるAT&TとVerizon Wirelessが挙げられる。この2社の携帯電話サービス加入者を合わせると、全米の総加入者数の約52%に相当する。

 驚くことに、米国の大手通信事業者の中で最も慎重なことで知られるVerizon Wirelessが、Googleとの間でAndroidに関する話し合いを進めていると伝えられている。

 Verizon Wirelessの広報担当者、Jeffrey Nelson氏は「我々はOpen Handset Alliance参加の可能性を完全に排除したわけではない」と語っている。「サービスやプライバシー、セキュリティ、信頼性が完全なものであれば、そういった技術革新は全面的に支持する。携帯電話向けアプリケーションのよりオープンな開発環境の提供を目標に掲げる当社にとって、この目標をサポートするGoogleや携帯電話メーカーなどの取り組みは大変喜ばしいことだ」(Nelson氏)

 それとは対照的に、自社ネットワークでのテクノロジ展開に対してよりオープンな戦略を推進していると考えられがちなAT&Tは、アライアンス参加から距離を置いている。

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