前者については利用規約に違反しているコメントを削除したり、ユーザーの退会処分をしたりすることで落ち着きを見せた。また、ユーザーの間では、「反対するにしても最低限のルールは守らなくっちゃ説得力ないですよね」「みんな、元々はGREEで楽しみたいから、アバター強制に反対してるはずだよね。それなのに…誰か(GREE関係者、GREEユーザー共に)を傷つけるとか、怒らせる様な事をしても逆効果だと思わない?」といった声が上がってきている。一時の熱に浮かされた状態から、冷静に問題を見ようという動きになっていることに、田中氏は歓迎の意向を示し、議論の推移を見守りたいと話す。
「昔から、要望から苦情、嫌がらせも含めいろいろあったんです。もちろん書かれて気持ちいいものでないものもありますが、それも含めてインターネットの面白さであり、良さだと思っています。ただ、コミュニティサイトの利用に関してノウハウを持っていないユーザーもいるので、それは我々とともに勉強できたらいいと思っています」(田中氏)
後者については「告知をうまくやっていくことに尽きる」と苦りきった様子だ。
ただ、グリーとして、今回の件について公式コメント等を出す予定はないという。アバターを自動表示すること、ただしそれは一部のアバター連動コンテンツに限ることは、すでにサイト上に記載しているからだ。
また、「アバターと自分の画像のどちらでも表示できるように選択制を採って欲しい」というユーザーの要望に対しては、「プロフィールなどはそのようになっている。アバターとの連動を強めていくサービスについては、1つの世界観として一律にアバターを表示する」(田中氏)として、変える考えはないようだ。
アバターに関する不満が出ていることについては、「もっとアバターを無料であげたり、無料でも楽しめる方法を積極的に告知したりしていきたい」(田尻氏)としている。
反対コミュニティや反対ユーザーの日記には、グリーと話し合いたいといった声も見受けられる。この点については、「ユーザーサポートに寄せられるメール、コメントについては全て目を通し、個別の問い合わせには随時対応している」(田尻氏)とした。なお、クリノッペでのアバター自動表示を告知した9月18日から10月3日までに、アバターに関して寄せられた問い合わせ数は438件といい、うち4割がクリノッペでのアバター自動表示をやめてほしいというもの、1割がアバターに反対したユーザーを削除しているのではないかという苦情だった。また、プロフィールで写真が使えなくなるのかという問い合わせや、GREEは全面有料化するのかといった問い合わせも4割ほどあった。
今回の騒動があっても、クリノッペの利用数自体は減っていないという。また、アバターの利用も定着しつつある。こういったユーザーの動向については引き続き注視していく。「発言する人もユーザーだが、発言しない人もユーザーだ。(ユーザーの大多数は発言をしない)サイレントマジョリティという概念もあり、いろいろな意見やユーザー動向を見ながら、自分たちでいい方法を発見していくしかない」(田中氏)
「ユーザーの声はすごく見ています。どんな議論が起きていて、何が問題で、どう改善したらいいのか」。ユーザーの冷静な議論の行方と、声を上げていないユーザーの動向の2つを注視し、今後の運営に生かしていく――それがグリーの基本方針であるようだ。
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