同コンテストは、NASAが今後12年以内に人間を再び月面に送リ込むために新しい宇宙航空機と技術の開発に取り組んでいるこの時期に発表された。NASAのエイムズ研究所でコンピュテーション部門を率いた経験を持ち、現在はGoogleのリサーチ担当ディレクターであるPeter Norvig氏は、最近開催された人工知能カンファレンスにおいて、月面に宇宙飛行士を送るという宇宙機関によるアプローチはコストが高く、もっとロボットを利用する方法に着目するべきであると提案していた。
X Prize Foundationの理事でもあるPage氏は、同氏とBrin氏は、世界中の子供たちに工学、数学、科学に関心を持ってもらいたいと考えているため、コンテストへの出資を非常に光栄に思うと述べた。
2007年3月からDiamandis氏とコンテストの後援に関する話し合いを始めたというPage氏は、「私は最近の講演で、科学の分野には深刻なマーケティングの問題があるという話をした」と述べた。「このようなコンテストは、世界中の人類の状態を改善するためのすばらしい手段である」(Page氏)
これに関連し、GoogleとX Prizeは、同プロジェクトを学校向けに紹介するウェブサイト「Googlelunarxprize.org」を開設した。
今回のコンテストは、X Prize Foundationにとって最大規模のものであり、Googleにとっては初めてとなる大規模なコンテストである。Googleは2007年に入って、X Prize Foundationの資金を収集するためのパーティーをGoogleplexにて開催した。X Prizeは、賞金1000万ドルの「Ansari X Prize」が最も有名で、同コンテストでは7カ国から26チームが参加して、地球の上空100kmを飛行する再利用型の宇宙航空機で競い合った。
Paul Allen氏が後援する「SpaceShipOne」が2004年に同コンテストで優勝し、その航空機は、Richard Branson氏の宇宙旅行会社Virgin Galacticのモデル機となった。
より最近ではX Prize Foundationは、医療コンテストとしては最大規模となる賞金1000万ドルの「Archon X Prize for Genomics」を開催している。同コンテストでは、100のヒト遺伝子を10日でマッピング可能にする新技術を開発する民間企業を募集する。これが実現されれば、個人向け予防医療の新時代をもたらすかもしれない画期的な技術革新となる。また同財団は、自動車分野でもコンテストを開催しており、100マイル(約160km)を1ガロン(約3.8リットル)のガソリンで走行可能なエネルギー効率のよい自動車を開発する発明家を募集している。
これとは別にGoogleは、「California Clean Tech Open」などのコンテストを後援している。同コンテストでは、6社の環境に配慮した新興企業に、事業開始のために10万ドル相当の現金、オフィススペース、専門的サービスを提供する。
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