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グーグルの無料ケータイ「gPhone」の上陸を拒む古い日本の存在

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 最近、AppleのiPhoneに引き続いてGoogleが自社ブランドで携帯電話を発売するという噂が流れている。広告ベースで月額料金を無料にするという説など、この“gPhone”をめぐってはさまざまな憶測が流れている。ただ、日本での展開を考えると難しいかもしれない。ビジネススキームがよくできたサービスほど、日本上陸が困難といわれている。それは、日本の深部でのIT化が十分になされていないためだ。

よくできたモデルの製品ほど日本上陸は困難

 結局、欧州でのiPhone導入の噂は、9月5日のJobsのスピーチでは明らかにされなかった(その代わり、iPod touchの発表はあったが)。それはそのはず。北米でのiPhoneのモデルは非常に先進的で、日本はおろか、欧州の通信事業者でも二の足を踏む内容だからだ。ほかにも、GSM/GRPSではなく、W-CDMAへの対応などテクニカルな問題も多くありそうだ。

 ただ、日本上陸について考えるとき、そこには別の問題もある。過去のiPhoneに関するエントリですでに記したように、日本のITやメディアの産業構造は、いかに先進的な領域を営んでいるといえども、本質的な部分=産業の深部ではIT化がなされていない。このことが、今後数多くの弊害をこれまで以上に発するに違いない。

 昨今、日本の状況をみるにつれ、放送通信インフラの整備状況や先進的なウェブアプリの活用などの表面的な部分では平均すれば米国などと比べてもIT化が進んでいる部分が多いものの、依然として本質的な部分は古い日本のままではないかと感じることが多い。それが、全体としてまんべんなくIT化が進んでいる米国とのスピード感にますます差がついてきていると言う印象を覚える。

 具体的には、複雑な商品流通経路、経営計画を客観的に立てる上で必須となる社会統計情報の不足などが引き起こす効率の悪さだ。

 米国では、すべての居住者に連邦政府から付与されている社会保障番号(SSN)により、さまざまな政府サービスが効率的に提供されている(窓口業務など人間が関わる具体的な手続きの効率の悪さは別の課題だ)。番号そのものの利用が民間にも許可されているため、利用者にとっても利便性が高いサービスが提供されやすい土壌となっている。もちろん、個人情報の保護と言う点で問題はあるが、危険性と利便性のバランスがとられていると言う共通認識があるようだ。

 また、物理的な商品の流通でも、ロジスティックスだけではなく、そこに介在する事業者の数は急速に排除されてきており、流通に必要な階層は極めて少ない。結果、ディスカウントやセールスプロモーションの余地が非常に大きくなっている。

 つまり、簡素な流通構造によってコスト余力が生じており、SSNという匿名であっても多くの社会経済属性情報を結びつけやすいメタデータを基に、さらなる行動データを加えることで、積極的な広告や販売促進投資が可能になっている。

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