Cooper判事の裁定が下される数日前の米国時間8月26日、TorrentSpyは米国内のユーザーのアクセスを閉鎖するという声明を発表した。TorrentSpyの幹部は数カ月前から、ユーザーのデータを犠牲にするぐらいなら米国へのアクセスを停止すると述べていた。
この件に関しても、裁判所の判決は市民のプライバシー保護を侵害するものだと、EFFは指摘している。
ワシントンを拠点とする著作権を専門とする弁護士Nancy Prager氏は裁判所の判決に賛同しており、著作物をコピーした人物に関する情報は著作権所有者が入手できてしかるべきだと述べている。
「今回の訴訟は、ユーザーに関する問題ではない。インターネット上のプライバシー保護については私も全面的に支持するものだが、裁判所が述べているのは、基本的に、企業がユーザーに対し違法な行為や誰かの権利を侵害する行為へのフリーパスを与えることはできないということだ」と、Prager氏は言う。
TorrentSpyとMPAAの法廷争いは、海賊版映画の違法なファイル共有を支援しているとする著作権侵害で、MPAAが2006年2月にTorrentSpyを提訴したのを発端とする。その後、MPAAがハッカーを雇って企業情報を盗み出させたとして、TorrentSpy側も逆に訴訟を起こし、論争は激しさを増した。
MPAAによる情報傍受に関する12ページの法廷文書のなかで、Cooper判事は、自らの裁定を下すにあたって、法律がどのように「傍受」という言葉を定義しているのかにも考えをめぐらせている。通信傍受法の違反となるためには、電子記憶装置から獲得するのではなく、意図的に電子メールを傍受する必要があると説明している。Cooper判事は「傍受」の意味を、「電子メールが到着する前の過程で、それを止め、とらえ、割り込むこと」と解釈した。
通信傍受法は、1986年に制定された電子通信プライバシー法に属する法律だ。連邦議会は、電子通信におけるプライバシーを保護する目的で通信傍受法を制定しており、同法では、「有線、口頭、電子による通信の意図的な傍受」を違法としている。
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