STMicroelectronicsとプライベートエクイティ会社のFrancisco Partnersと共同でチップ製造会社を設立するIntelの計画について、連邦通商委員会(FTC)関係者らはさらに詳細に調査を進めていくという。Intelが米国時間8月30日に明らかにした。
FTCは、この提携に対する独占禁止法違反の可能性を調査するため、「二次要請」とも呼ばれる追加情報を求めている。
5月に発表されたこの提携では、これら3社が独立したフラッシュメモリ製造会社をスイスに設立する計画である。このチップは、携帯電話からデジタルカメラやコンピュータまで、消費者向けと商用の両デバイスに採用される予定。
元FTC担当官で独占禁止法に詳しい弁護士によると、二次要請はあまり一般的ではなく、この提携に政府が深刻な懸念を示している証拠だと指摘した。
法律事務所Drinker Biddleの独占禁止法担当弁護士で、元規制当局の担当官であるHoward Morse氏は、「政府は、提携が大規模だというだけで簡単に二次要請を出さない。一般的に、政府が二次要請を出すのは政府に届け出のあった全提携の5%未満だ。そして、政府は二次要請を出したところの約半分に何らかの対応を行う」と語っている。
この提携は、3週間前に欧州委員会の独占禁止法担当局が認可している。
この提携はIntelのNOR型フラッシュメモリの資産とスイスを拠点とするSTMicroelectronicsの同メモリの資産を統合し、NOR型メモリ業界の再編につながるだろう。これで業界は大手ベンダーの数が4社から3社へと減ることになる。ほかに残るのは、サムスン電子と、富士通とAdvanced Micro Devices(AMD)によるジョイントベンチャーの2社だ。
NOR型フラッシュメモリは従来、その高速な読み出し速度を生かして携帯電話業界で採用されてきたが、NAND型フラッシュメモリに形成を逆転されてきた。その結果、NOR型メモリは成長の遅い業界だと見なされるようになってきている。
Intelは2007年後半に提携を完了する見通しだったが、遅れる可能性もある。FTCが提出された追加情報を検討し、Intelが二次要請に十分応えているとの決定を出せば、Intelはさらに30日待ってから契約を締結することになる、とIntelは言及した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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