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AMDの販売およびマーケティングの最高責任者、9月に退任へ - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、中村智恵子、小林理子2007年08月24日 00時16分
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Barcelonaのトラブル

 AMDがきわめて苦しい年を過ごしている中、Richard氏が退任するのは非常に重要な展開だ。Ruiz氏は、技術的不具合の発生によって、Barcelonaの正式出荷が予想よりも6カ月遅れるという推測を認めた。その間AMDは、自社のデュアルコアプロセッサの価格を引き下げることによって、Intelのクアッドコアプロセッサに対抗しようとしたため、多額の損失をこうむった。

 Richard氏はAMDにおいて、メディアに登場することの少ないRuiz氏やMeyer氏に比較して、積極的にメディアへ露出していた人物だ。Ruiz氏やMeyer氏よりもはるかに頻繁に世間からの質問に対応してきたのがRichard氏で、最近では7月のアナリストとの会見以降、AMDの広報担当を率いる存在になっている。

 さらに重要なのは、AMDが小規模なニッチサプライヤーを主なターゲットとしていた企業から、世界で最大手のパソコンおよびサーバ企業という評価を顧客から得る存在になるまでの成長を見守ってきたのがRichard氏だということだ。「これまでAMDが変貌を遂げてきた中に同氏は非常に重要な寄与をした」と、Mercury Researchの主席アナリストDean McCarron氏は語った。

 しかしこの1年、AMDは多少後退しているようにみえる。流通戦略における深刻な問題で、AMDは相当量の在庫調整を余儀なくされ、流通のパートナーとの関係も損ねてしまった。流通のパートナー企業は、AMDがDellやHewlett-Packardなどの大手企業と手を結ぼうとして、自分たちをおろそかにしているように受け取ったようだ。

 Richard氏の退任についてのAMDの説明はどうあれ、やはり疑問は残る。同氏はAMDが抱える問題で貧乏くじを引かされたのだろうか。これは判断が難しい。明らかに2006年以来、誰が見てもAMDの業績は低迷しているし、非難の矛先はたくさんある。

 Richard氏の無骨で果敢なスタイルは、優れた製品を抱えてIntelを追い上げていた2005年および2006年前期のAMDの自信を、正確に反映するものだった。しかし、Intelの「Intel Core 2」プロセッサが2006年夏に出荷されて以後、AMDが獲得していたマーケットシェアを失いはじめ、Barcelonaに関する意思決定プロセスで厳しい質問に直面するようになったとき、Richard氏の威勢のいい口調は空疎に響きだした。

 Richard氏が退任する時期は、Barcelonaの正式出荷が控えていることを考えると非常に興味深い。Intelへの反撃を狙うAMDとしては、発表イベントからその後数カ月にわたって、Richard氏が重要な役割を担うはずだったことは間違いのないところだからだ。

 AMDには変化が必要だろうという意識がある。詳細は明らかにされていないものの「省資産型戦略」と呼ばれる計画を遂行するには、すでにそこそこの期間かかわってきた人物よりも、新しい幹部の方がやりやすいかもしれない。もしRichard氏が会社経営の申し出を受けたのだとしても、自分のキャリアを大切にする判断を下して、困難な状況から逃げる幹部は同氏が最初というわけではない。今は新しい幹部が全力を投入して、Intelの現行クアッドコアプロセッサと次世代「Penryn」プロセッサに対抗するには、どのようにBarcelonaを売ればいいかの答えを出すときだろう。

 Richard氏の退任にまつわる事情はともあれ、AMDは同氏が来た当時よりも優れた状態になっていると、McCarron氏は語った。「同氏の在職中に、AMDは小規模企業ではなくなったし、小規模企業としての振舞いもやめたのだ」

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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