Intelは、第1四半期におけるAdvanced Micro Devices(AMD)の不振に乗じてチップ市場のシェアの一部を取り戻した。
JP Morganは米国時間4月24日、市場調査会社Mercury Researchがまとめた市場シェアデータを含むリサーチノートを発表した。MercuryのDean McCarron氏は、基本的な数字を発表した。それによると、Intelの第1四半期の市場シェアは80.5%で、前期の74.4%から増加した。一方、AMDのシェアは、過去最高だった第4四半期の25.7%から18.7%に減少した。Intelのシェアの増加分とAMDのシェアの減少分はほぼ同じだった。
しかし、これらの数字が通常よりも悪いのは、AMDは第4四半期に過剰在庫の一掃を迫られていたからで、第1四半期中に顧客が同社から直接購入する必要があった大量のチップを同期中に顧客に提供したからだ、とMcCarron氏は説明する。また同氏は、在庫問題がなくてもAMDの市場シェアは下がったが、恐らく低下率は2%程度だったろう、と付け加えた。
しかし、それはAMDにとって大した慰めにはならない。同社は、6億1100万ドルの損失を計上した不調だった第1四半期に揺らいでいる。AMDは2003年から2006年までの3年間、規模で同社をはるかに上回るIntelを相手に大きく前進した。同社は、「Opteron」プロセッサや「Athlon 64」プロセッサの強みを生かしてシェアを拡大し、新規顧客を獲得した。しかし、最近は「Core 2 Duo」プロセッサを擁するIntelは、競争力でAMDを大きく上回っている。またIntelは、製造技術でもAMDを大きく引き離している。
Mercuryのレポートによると、x86命令セットをベースとしたデスクトップ用プロセッサ、ノートPC用プロセッサ、サーバ用プロセッサにおいて、AMDはすべての部門でシェアを失ったという。McCarron氏は、正確な数字の発表は控えたが、JP Morganによると、AMDが各市場で失ったシェアは、デスクトップ市場で8ポイント、サーバ市場で7ポイント、ノートPC市場で4ポイントだという。Mercuryは通常、こうした詳細まで言及したレポートを個人購読者にのみ提供している。また、そのレポートで示される数字は、流通経路に乗ったプロセッサの数を反映しており、必ずしもIntelやAMD製のチップを搭載したシステムが販売された数を反映しているわけではない。
McCarron氏によると、第4四半期から第1四半期にかけての半導体市場全体の縮小幅は、業界の通常の予想をわずかに上回ったという。ただ、1年で最も忙しい第4四半期に比べて出荷量が減少するのは、ほぼ毎年のことである。しかし、2007年のサーバおよびPCの販売は、急成長を維持していたこの数年と比べ、動きが鈍くなる見込みだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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