ノキア、携帯出荷台数が29%増--第2四半期決算

文:Marguerite Reardon(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年08月03日 10時32分

 世界第1位の携帯電話メーカーNokiaが第2四半期決算を発表し、再び力強い成長を示した。最大のライバルであるMotorolaの売り上げ低迷に乗じた格好だ。

 Nokiaは米国時間8月2日、携帯電話の出荷台数が前年比29%増の1億80万台だったことを明らかにした。同社は現在、世界の携帯電話市場のおよそ38%のシェアを占めている。一方、Motorolaは第2四半期にマーケットシェアを落とし、ライバルのサムスン電子に次ぐ3位に転落した。

 Nokiaの成功は、そのほとんどが欧州、中東、そしてアフリカでの売り上げによるもので、これが、北米のシェア低下を相殺した。Nokiaはまた、自社の携帯電話の平均販売価格引き上げにも成功し、89ユーロから90ユーロとしたが、それを大きく後押ししたのが「Nokia N95」などの新型ハイエンド機種だった。

 携帯電話の増加に伴い、同社はその利益を倍以上に拡大し、売上高も5四半期ぶりに記録を更新した。対照的に、7月に決算を発表したMotorolaは、同四半期に利益を2006年同期比2800万ドルも落とした。

 さらに、Nokiaの最高経営責任者(CEO)Olli-Pekka Kallasvuo氏によると、携帯電話市場は同社の予想を上回る伸びを見せており、2007年比で10%以上の増加が予想されるという。

 では一体全体なぜ、Nokiaや、LG、サムスン電子、ソニー・エリクソンなどの各社が成長を遂げるなか、世界第2位の携帯電話メーカーだったMotorolaがこれほど低迷しているのだろうか?それは難しい問題であり、CEOのEd Zander氏をはじめとするMotorolaの経営陣がその答えを見つけなればならないことは確かだ。Motorolaにとって大きな問題の1つは、「RAZR」以降ヒット商品が出ていないことだ。Nokiaの勢いが増し続けていることを考えると、新しい人気製品がない限りMotorolaの苦戦が続く可能性はなおさら高い。

 Nokiaの成功に関して常に興味深いのは、米国でのマーケットシェアが低いにもかかわらず、マーケットシェアと利益を伸ばしてきたことだ。同社は、新興市場でローエンド製品を大量に販売することができる。同社はまた、GPSナビゲーション搭載の「N95」のようなハイエンドスマートホンを欧州やアジアで販売することにより、この低マージンビジネスをうまく相殺できるのだ。

 しかし、少なくとも2億2000万人が携帯電話サービスを利用する米国では、Nokiaはキャリア経由でわずかな数のミッドレンジ製品を販売しているだけだ。消費者が同社のハイエンド携帯電話を入手するには、Nokiaのウェブサイトや小売店で直接購入することになる、これらの携帯電話は、AT&TやT-MobileのGSMネットワークに対応している。しかし、補助金がなく、キャリアの店頭でも販売されていないため、これらの携帯電話はほかの国より売れ行きが良くない。

 だが、その状況も変わる可能性がある。Appleの「iPhone」が話題となっているが、これでNokiaのハイエンド携帯電話が比較されるケースが増えてくる。また、このような関心が売り上げの増加にもつながる可能性がある。Nokiaが米国における消費者行動の変化を利用できるようなら、MotorolaはさらにNokia追撃に苦戦することになるだろう。

 1つだけ明らかなのは、Nokiaは波に乗っており、シェア回復に向けて迅速に対応しないとMotorolaはシェアをさらに落とす可能性があることだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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