Motorolaは米国時間7月19日、2007年第2四半期の業績を発表した。それによると、携帯電話機の売り上げが約40%落ち込んだことに伴い、収支は赤字となった。
同社は2007年後半に売り上げの回復を狙った新製品を供給する予定だが、経営陣は現在、携帯電話端末の事業が2007年中に黒字に転じるとは考えていない。
Motorolaは第2四半期、2800万ドル(1株あたり1セント)の損失を計上したと報告した。これに対し、前年同期は138万ドル(1株あたり55セント)の純利益を計上していた。売り上げは前年同期の108億2000万ドルから19%減少して87億3000万ドルになった。
Motorolaの収支が赤字になることは以前より予想されていた。同社は先週、業績予測を下方修正している。現時点での問題は、いかに素早く勢いを取り戻せるかということである。
同社の製品提供が停滞した過去数四半期は、大きな失望が続いた。黒字転換策として値下げを差し控えた結果、特にアジアや欧州などの重要市場で、市場シェアを失うことになった。
Motorolaはモバイル端末の世界シェアでNokiaに次ぐ第2位の座を守ってきたが、2007年第3四半期以降、Samsung Electronicsに抜かれ第3位に転落する見込みである。
Motorolaの最高経営責任者(CEO)Ed Zander氏は、携帯電話の製品ポートフォリオを見直したことが、売上増加を後押しすると期待している。その一環として「Razr」と「Motorola Q」の3Gバージョンが2007年夏に発売されている。同氏はまた、アナリストと投資家との電話会議の中で、ユーザーを「あっと言わせる」要素が必要であると述べた。Motorolaはさらに、iPhoneに熱狂する市場への対応も行う意向を示している。
Zander氏は「製品の問題だ。第1四半期と第2四半期を振り返ると、『あっと言わせる』製品が実に少ない。何としても、新製品を投入する必要がある」と述べた。
同氏は、アジアにおけるQとRockrの新型発売後の売れ行きには自信を深めていると述べたが、その影響を大げさに述べ立てるつもりはないとした。
本当に魅力ある決定的な製品がないこと以外に、Motorolaの携帯電話部門を悩ます大きな問題が2つあるようだ。1つは、3G市場に出遅れ、3G普及が進む欧州やアジアでの売り上げに悪影響を与えていることである。Motorolaは現在3Gデバイスを販売しているが、それでも、デザイン面で競合他社より1年は遅れているため、同社の立場は弱い。つまり、NokiaやSamsungと競争を続けるために、Motorolaはコスト構造を見直す必要に迫られていることを意味する。
もう1つの問題は、コスト削減を継続できなかったMotorolaが、ローエンド市場での競争に苦戦していることである。多くのアナリストが、インドやサハラ以南のアフリカなどの新興市場が今後数年間に渡り携帯電話産業成長の大きな推進剤になるだろうと予測しており、ローエンド市場での苦戦は非常に大きな問題である。
Motorolaの業績低迷により、Zander氏には大きな圧力がかかっている。業界観測筋の多くは、Zander氏の辞任が秒読みの段階に入っていると見る。電話会議中、取締役会が今もMotorolaの経営陣を信頼しているのかという質問を受け、Zander氏は「われわれは正しいことをしていると考えている。確かにこの1年間は苦しかったが、経営陣は最善を尽くしてきた。わたしから言えるのはこれだけだ」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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