ニューヨークのマンハッタン、ウェストビレッジ地区。ビルの地下にある某ナイトクラブでつい先ごろ催されたアフターファイブイベントでのこと。パーティに参加していた1人の男性は、DJがかもし出す軽快なテクノビートに不満げな顔をしていた。
「ミートパッキング色の強すぎるサウンドだ」。ナイトクラブがあるミートパッキング地区は、値段の張るドリンク類、酔っ払った観光客、パパラッチなどで有名なマンハッタンの一画。男性のコメントは、ミートパッキング地区のそういった一面を皮肉ったものだ。
しかし、これは別に驚くようなことではない。というのもこの男性は、最新の流行をチェックしてあら探しするのが好きな利用者たちでにぎわう、ユーザー生成型ビジネスレビューサイト「Yelp」の熱心なメンバーなのだ。このパーティがYelpの公式パーティであり、参加者全員が「Yelper」であることを考えると、DJの選曲をおもむろに批判したのはおそらく彼だけではなかったであろう。
オンラインソーシャルネットワーキングはデジタル時代の中心的存在となり、「Friendster」をはじめとするさまざまなサービスがめまぐるしいペースで登場する中、インターネットの流行り廃りが激しいことは今や明白だ。その結果、一部のサイトではサービス内容を濃くし、ユーザーの満足度を高く保つための新しい戦略に乗り出している。この戦略は、オンラインでのネットワーキングをサポートするだけでなく、ユーザー同士が実際に顔を合わせるオフラインでのイベントやパーティに出席する機会も提供しようというものだ。Yelpは現在、こういったパーティを全米の大都市で定期的に開催している。
最近では小規模のベンチャー企業がYelpや「Meetup」などの大物に対抗し、オフラインとオンライン両方のコミュニティーを活用したハイブリッドモデルを採り入れようとしている。
たとえば先ごろ生まれ変わったばかりの「Going」は、ソーシャルイベントカレンダー機能を備えたサイトだ。Goingのサイトにはメンバー向けのお知らせ情報がまとめられ、メンバー同士が事前にオンラインでネットワーキングできるほか、お気に入りのイベントやフォトギャラリーを指定してプロファイルを管理できるようになっている。
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