シカゴ発--Appleの「iPhone」の発売まで2週間を切ったが、Verizonの会長兼最高経営責任者(CEO)であるIvan Seidenberg氏は、iPhoneに対抗する新機種ではなくサービスで、ライバルのAT&Tと争うと話している。
米国時間6月20日、当地で開催中の通信展示会「NXTcomm」で行われた記者会見で、Seidenberg氏はiPhoneについて質問を受けた。Seidenberg氏はこれに対し、Verizonはすでに複数の新機種を発売しており、2007年は今後も商品ラインアップを増やしていく予定だと語った。その上でSeidenberg氏は、iPhoneの独占キャリアAT&Tに対しては、サービスに重点を置いて対抗することを明らかにした。
「当社は先月に新しく4種類の機器を投入したばかりだ。新しい『BlackBerry』は飛ぶように売れている。われわれの見方からすると、当社の顧客には、魅力的な価格設定とほかとはひと味違うサービスが提供されている」とSeidenberg氏は話す。
Seidenberg氏は具体例として、Verizonの「V CAST」で提供している曲を直接ダウンロードできる音楽サービスと、「V CAST Mobile TV」などのモバイル向け動画サービスを挙げた。V CAST Mobile TVは、QualcommのMediaFLOを利用して、リアルタイムのテレビ番組を配信する。
契約者がVerizon Wirelessのサービスを見限ってAT&Tへ移るということはあると思うかという質問に対し、Seidenberg氏は、Verizonの態勢は十分整っていると答えた。Verizon Wirelessは長い間、高い顧客忠誠心に恵まれていて、解約率は米国の大手無線事業者の中で最低水準にある。
「われわれとしては、iPhoneの発売をむしろ待ちかまえている。iPhoneのせいで、市場にアプローチする当社の戦略を変えることになるとは考えていない。しかし、影響は見ておく必要がある。市場が変化するかどうか、証明して見せる義務があるのは(AT&TとApple)だ」(Seidenberg氏)
Seidenberg氏は続けて、iPhoneは市場を刺激し、それがVerizonのハイエンドのスマートフォンや先進的なデータサービスにとってプラスになると語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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