また、Yang氏は社員に愛されていて、技術者たちにとっては身近な存在であり、創業以来継続してYahooの顔であり、ブランドの一部であるとも指摘する。
「Sue(Decker氏)とJerry(Yang氏)の組み合わせというのはとても賢明だ。Jerryは商用インターネットの立ち上げを支援した、先見の明のある人物」と語るのは、旅行ウェブサイトSideStepのCEOであり、以前にYahooのコマース部門バイスプレジデントおよび部長を務めていたRob Solomon氏である。「Sueは世界で最も優れた経営者の1人」と語り、彼女がCostcoやIntel、Berkshire Hathawayなどで取締役を務めた経歴に言及した。
以前にYahoo Musicの製品戦略部門の責任者を務め、活況を呈しているビデオサイトPureVideoの創設者であるGreg Morrow氏は、「JerryはYahooの社員ととても親密な関係を築いており、しかも技術的な知識にも長けている」と語る。
そして「Terry氏の功績といえば、会社をしっかりとまとめ上げたことだが、当時はそれが必要だった。お金を稼ぐしくみを作り上げたのも評価できる。しかし今彼らがやらなければいけないのは、新進の企業やGoogleと対等に渡り合えるように製品の信頼性を強化することであり、今回のトップ交代は正解だ」と続けた。
Semel氏はCEOを務めていたWarner Bros.から2001年にYahooに移って来たが、先週の株主総会で精彩を欠いた決算報告に対して批判を浴びていた。Semel氏の年間給与は1ドルにも関わらず、実際の報酬額は総額約7000万ドルでアメリカで最も稼ぐCEOの1人である。その報酬を自社財務実績に見合ったものにするという提案は、どちらかといえば多くの票を集めて30%以上の株主の支持を得た。その一方、株主による取締役会の再選では、通常であれば80%から90%の賛成が得られるところだが、わずか66%の承認しか得られなかった。
Yang氏がSemel氏の在職中にその経営手法をある程度学んでいる可能性はある。Yang氏は先の電話会議で、Semel氏のことを「模範になる人」、「良き指導者」と振り返り、「よきリーダーそして優れた人物になる術を学んできた」と感慨深げに語った。
Yang氏はCEOに指名されたことを光栄に思い、意欲を持って取り組むと語った。「ビジネスのことも、市場力学のことも良く知っている」と語り、長年にわたってYahooの戦略を促進させるために働いてきたことも付け加えた。
Yang氏がYahooの業績を回復基調に戻し、Googleとの競争で失った信頼やマーケットシェア、リーダーシップを再び取り戻すことができるかどうかは未知数である。
Sterling氏によると、Yahooには解決しなければならない重要な問題が残っているという。「取り戻さなければならないのは勢いであり、今回のトップ交代は長いプロセスの最初の1歩にすぎない」ということだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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