Yahooの株主らは米国時間6月12日の年次株主総会後、同社の業績低迷について、最高経営責任者(CEO)のTerry Semel氏を非難した。
質疑応答では同氏を激しく非難しながらも、株主らは役員報酬と自社財務成績の連動、中国が要求するインターネット検閲への反対、人権委員会の設置の3つの提案の否決を呼びかける取締役会の勧告には従った。
また、株主らは役員全員を再選し、複数の役員再選に反対票を投じて7700万ドルというSemel氏の報酬パッケージに抗議するよう求めた委任状助言会社3社の要望もはねつけた。
Yahooは、利益性の高い検索エンジンや広告市場で後発のGoogleに譲ったトップの座を奪還すべく苦戦を続けている。Yahooの株価が1年前から約10%値を下げたのに対し、Googleの方は約30%値を上げている。検索市場におけるYahooのシェアがわずか27%であるのに対し、Googleのそれは50%近い。第1四半期の純利益が2006年比で低下し、新しい検索広告プラットフォームの「Panama」がプラスに影響しないことが明らかになると、Yahooは株価を下げてしまった。
約100人の株主を代表しているとする株主は、ここ数年の「Yahooの行動について株主に謝罪がなかったことに驚いた」と語った。この株主は、Googleが広告市場で独占的立場にあること、グラフィカル広告ビジネス拡大に向けたGoogleのDoubleClick買収、YouTubeなどYahooにとって重要な「買収機会の逸失」、そして同社最高技術責任者(CTO)、Farzad Nazem氏の突然の辞任などに言及した。
この株主はSemel氏に対し、「自分の職務に対するやる気があるのか?」と尋ねた。
「もちろんある。Yahooには今後、これまでおそらく一度もなかったようなチャンスが来る」とSemel氏は語った。検索による売り上げ確保に改めで集中し、ディスプレイ広告をリードするYahooは、「自社にとって妥当なところまで必ず(ネット広告の)市場シェアを拡大するし、その自信もある」と語った。
その株主は、「ということは検索では2位に甘んじるのか?」と続けた。
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