半年前に行われた組織の再編と経営陣の刷新は、Yahooが次期Decker体制に向けて準備を進めているという多くの人の憶測を呼んだ。Yahooは最近、投資銀行に勤務していたBlake Jorgensen氏を最高財務責任者(CFO)に迎え入れたが、それまではDecker氏がCFOとしての職務を兼務していた。新CFOの就任に伴い、Decker氏は2006年暮れの組織再編時に就任した広告ビジネス責任者としての職務に専念することとなった。
現在進められている組織再編においては、広告部門とコンシューマー部門がDecker氏のリーダーシップのもとで統合されることになる。
Yang氏はYahooの共同創業者であり、尊敬されていて影響力も大きい。たとえば、内部の関係者の話ではYahooの経営に関するすべての意思決定に関与しているという。今回の件で何よりも重要なのは、「Yahooのボス」であるYang氏が熱心なネットワークユーザーであり、質の高いユーザー体験の創造に専心していると考えられていることである。Yahooホームページの設計の見直しを数多く担当してきたのもYang氏である。
Yang氏のYahooに対する情熱は、業界の専門家に言わせればSemel氏のそれとは全く対照的であり、Semel氏が特にYahooの熱心なユーザーであるという話を聞いたこともないし、インターネット全般についても同様である。
ある経営幹部が匿名を条件に、「YahooのことはYang氏が誰よりも良く理解している。彼は長い間ユーザーの声を代弁してきた」と話してくれた。
Decker氏は改変について話し合った電話会議で、Yang氏のことを「Yahooの心の拠り所」と評したという。
それでも、Yang氏は社員にはYahooの方向性にとっては救済者とも、特にすばらしい発言者とも映ってはいない。どちらかというと裏方という印象があり、そのためにYahooの現社員や前社員の中には、会社の業績が再び軌道に乗るまで、あるいはDecker氏が引き継ぐ体制が整うまで、Yang氏が暫定的にCEOに就任すると考える人もいる。
先の電話会議中にSemel氏がDecker氏のことを「戦略面で豊かな才能を持つ」人物であり「金儲けの天才」と評したというが、Yang氏はSemel、Decker両氏が持っていない技術的ノウハウを備えていると事情通は指摘する。
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