オーバーチュアは5月15日、新たな検索連動型広告システム「新スポンサードサーチ」の新規アカウント開設受付をオンラインで開始した。同社はこれにあわせ、ヤフーと共同でセミナーを開催した。
既存広告主のアカウント移行は4月17日より開始しており、同社が抱える約8万アカウントのうち、すでに3500アカウントが移行を完了しているという。今週(5月14日週)より移行スピードを加速させ、週に1万強のアカウントを新スポンサードサーチへ移す方針。
新スポンサードサーチの特徴は、地域ターゲティングやキャンペーン単位の予算・スケジュール管理に代表される広告配信機能、そして広告テストや品質インデックスといった広告最適化支援機能だ。
なかでも品質インデックスはすでに米国で実績を上げている。品質インデックスとは、広告の質を相対評価で5段階に分類する基準で、入札価格と同様に検索連動型広告の掲載順位に関わってくる。この品質インデックスが導入されることにより、単純に高額で入札しただけでは、掲載順位は上がらなくなる。これは逆に言えば、「クリックされやすい広告」が上位に表示されることを意味する。
米調査会社comScoreが発表したデータによれば、米Yahooでは品質インデックスによる新たな掲載基準を採用してから、広告のクリック率が1週間で5%、2週間で9%向上しており、クリック課金制である検索連動型広告の収益拡大にいかに影響してくるかが注目されている。オーバーチュア マーケティングシニアディレクターの山中理恵氏は、「日本でも同様の効果が得られることを期待している」と述べた。
日本における新たな広告掲載基準は、全アカウントの移行が完了した後に適用される予定だ。オーバーチュアは今後10〜12週間での移行完了を見込んでおり、「8月よりも早い時期に、新掲載基準をご案内できる見込み」(山中氏)。
一方のヤフーは先日、オーバーチュアの全株式を米Yahooから取得し、同社を子会社化する意向を発表したばかり。その目的はサーチエンジンマーケティングでのシェア拡大だ。ヤフー 広告本部長の武藤芳彦氏は、ヤフービジネスセンターから新スポンサードサーチ申し込みへの誘導をかけるなど、両社共同で検索ビジネスの拡大を図るための具体的な施策を示した。また「今後はヤフーのディスプレイ広告とオーバーチュアの検索連動型広告をセットにしてプロモーションしていきたい」とも語った。
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