米連邦最高裁判所は米国時間4月2日、米環境保護庁(EPA)の主張を退け、EPAには自動車の温室効果ガス排出を規制する義務があるとの裁定を下した。
連邦最高裁は判決要旨(PDFファイル)の中で、マサチューセッツ州など12州と環境団体の主張を認め、EPAには「Clean Air Act」(大気浄化法)に基づき温室効果ガスを大気汚染物質として規制する義務がある、と述べた。二酸化炭素などの温室効果ガスの増加は、地球温暖化につながるとされてきた。
EPAはこれまで、地球規模の気候変動に対処するために、強制的な規制を出す必要はなかったと主張してきた。EPAはまた、米国政府は気候変動への対策に関して、技術への投資と自主的な排出削減を重視しているが、同庁が規制を定めた場合、こうした政府の方針と衝突するだろうと主張した。
John Paul Stevens判事は、多数意見として、「簡潔に言って、EPAはこれまで、温室効果ガスが気候変動の原因または一因であるという判断を否定する、合理的な説明をしなかった」と書いている。多数意見に賛同した他の判事は、Anthony Kennedy、David Souter、Ruth Bader Ginsburg、Stephen Breyerの各氏。
連邦最高裁はEPAに対し、強制的な規制を定めることを求める具体的な命令は出さなかったが、同庁が規制しないことを正当化する理由を示していないと指摘した。
多数意見の中で、「(大気浄化)法で明確に定められている通り、EPAが規制を実施することを免れられるのは、温室効果ガスが気候変動の一因ではないことを証明した場合か、規制が不可能な理由もしくは規制すべきかどうかの判断を行わない理由について、合理的な説明をした場合だけだ」と述べられている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果