ニューヨーク市で、Cingular Wirelessを使っているカード所有者の一部が、携帯電話で買物ができる新サービスをテストする。
Cingular Wirelessは米国時間12月14日、携帯電話メーカーのNokia、金融サービス業のCitigroupおよびMasterCard Worldwideと協力し、MasterCardの非接触型決済技術「PayPass」を組み込んだ新型携帯電話の試験を実施すると発表した。
3カ月から半年の期間を予定している試験は、携帯電話を使った「接触させずに、かざすだけ」の決済のスピードや使い勝手を評価するうえで役立つだろう。
Cingular Wirelessと契約し「Citi MasterCard」を持っている人は、すでに試験の参加者に選ばれている。参加者には、近距離無線通信規格「Near Field Communication(NFC)」をサポートしPayPass決済機能を組み込んだNokiaの携帯電話が渡される。この電話機を使えば、MasterCardのPayPassシステムを採用している店舗ならどこでも、カードリーダーに電話機を近づけるだけで買物ができる。購入金額は、携帯電話加入者の口座から引き落とされる。
MasterCard PayPassサービスはすでに、ニューヨーク市の地下鉄の駅で試験運用が始まっている。試験に利用しているのは、Citibank発行のプラスチックカードだ。このカードは、フィラデルフィアにあるCoca-Colaの自動販売機1000台でも使用できる。そのほか、McDonald'sの店舗やAMC Entertainmentの映画館などもCitibankのカード利用を受け入れており、PayPass機能付き携帯電話にも順次対応していく予定だ。
銀行を通じて発行される非接触型の決済カードは、ここ数カ月のうちに普及が進んでいる。2006年9月の時点で、対応ハードウェアを設置し、非接触での読み取りと認証が可能になっているところは、米国内で3万店を超えている。また、コンサルティング企業Celentによれば、非接触型のクレジットカードを所有している消費者は、すでに1300万人を超えるという。
論理的に考えて、次なるステップは、携帯電話にPayPass技術を組み込むことだ、とCingularの幹部は述べている。
Cingular Wirelessでテクノロジ実用化担当バイスプレジデントを務めるScott McElroy氏は、声明の中で次のように述べている。「携帯電話を持ち歩くことは、財布を持ち歩くのと同じくらい当たり前になった。この試験運用は、NFC技術がどの程度うまく機能するかを調べるとともに、顧客が実生活での決済に携帯電話をどのくらい利用したいのかを把握するうえで、今後も役に立ってくれるだろう」
韓国と日本の消費者はすでに、買い物の支払いに携帯電話を使っている。NTTドコモは2年以上前から、非接触型決済システムを組み込んだ携帯電話を販売してきた。今日では大半の携帯電話が、現金で支払うような小額の買物に使われている。しかし将来的には、携帯電話がよりクレジットカードに近い使われ方をすると、この技術の支持者たちはみている。読み取り装置には将来、店や企業からのクーポンや広告を携帯電話に直接ダウンロードさせるプログラムが組み込まれるかもしれない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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