携帯電話メーカーのNokiaと、クレジットカード会社のMasterCardは5月13日、携帯電話を使った新しい技術トライアルを、今月より開始すると発表した。Nokiaの携帯電話機をクレジットカードの代わりとして、決済に利用できるようにするという。
Nokiaは、本トライアル用の決済機能を組み込んだ、新モデルの携帯電話500台を用意したほか、既存の携帯電話でも同機能を利用可能にする、SmartCoverというオプション1500台を無料で配布した。本トライアルは、Nokia米国本社のあるテキサス州ダラス郊外のアービングという都市で、6〜8カ月にわたって行われる。
今回携帯電話に組み込まれたのは、MasterCardのPayPassと呼ばれる技術だ。これまでの磁気タイプのクレジットカードでは、利用の際に磁気リーダーにカードを通す必要があったが、PayPassではリーダーの前にカード(携帯電話)をかざすか、もしくは触れるだけで読み取りが可能となる。
PayPassカードとSmartCoverを搭載した携帯電話のいずれも、内部にICチップと無線回路を内蔵している。これにより、磁気カードのように磁性体に直接触れる必要がなくなり、多少離れたところからでも読み取れるようになっている。
アービング近郊のラスコリナスにあるいくつかの商店では、PayPassリーダーを用意してトライアルに参加すると、Nokiaの広報では発表。またトライアルの一環として、商店主がSmartCover搭載の携帯電話に対して、ショートメール広告を送信することも可能になる。また携帯電話ユーザーは、30日後に広告メール受信の可否を選択できるようになる。
MasterCardは本件以外でも、2002年12月からフロリダ州オーランドーでPayPass技術を用いたトライアルを実施している。こちらは1万6000人以上の利用者と、60近い店舗が参加しているという。同社では「コンビニエンスストア、ファーストフード、レストランなど、支払いが低額で客の流れが速いような店舗で、クレジットカードの利用を促進し、現金による支払いにとって代わるような技術開発を進めている」と説明する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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