MotorolaとMasterCardは米国時間12日、安全に金銭取引が行える携帯電話を共同で開発していることを明らかにした。この携帯電話を利用すると、銀行取引を行ったり、クレジットカードを使って食料品を購入したりすることが可能になるという。
Motorolaによると、MasterCardのワイヤレス決済システム「PayPass」に対応したMotorola製の携帯電話端末2機種を使った試験が、米国在住者数百名を対象に今年中に実施される予定だという。
MotorolaのバイスプレジデントRon Hammaは、この携帯電話端末について「人々の生活様式を変える可能性を秘めている。財布やキーホルダー、身分証明書の役割を果たすようになるだろう」と声明のなかで述べている。
この開発中の携帯電話端末も、それにまつわる宣伝文句も、約10年前に話題となったある構想を思い出させてくれる。その構想とは、現金や小銭、クレジットカード、キャッシュカードを持ち歩かなくても、消費者は携帯電話で買い物ができるようになるという内容のものだった。消費者は、財布や小銭入れを取り出す代わりに、無線リーダーの上に携帯電話をかざすだけで買い物を済ませることができる。
当時の無線データネットワークは速度が遅くセキュリティホールだらけだったため、この構想は立ち消えとなっていた。しかし、MotorolaとMasterCardの両社は、ここ数年間で新しい技術が開発され、状況が好転したと述べる。
Motorolaは、Near Field Communication(NFC)に対応した携帯電話を開発する。NFCとは、わずか8インチ(約20センチ)の範囲にしか飛ばない強力で安全な無線信号のことで、「非接触型」のクレジットカードリーダーで採用されている。
昨年、MasterCardはダラスで9カ月間にわたり、同技術の試験を実施した。その際はNokiaの電話端末を使用したが、同社製の端末には、PayPassのチップを内蔵した部品を新たに追加する必要があった。Motorolaの電話機の場合は同チップが本体に内蔵されていると、MasterCardのバイスプレジデントOliver Steeleyは述べる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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