米国防総省の高等研究計画局(DARPA)は、CrayとIBMにおけるペタフロップス級のスーパーコンピュータ開発プロジェクトに引き続き資金を援助する一方で、Sun Microsystemsへの援助を打ち切る決定を下した。
CrayとIBMは米国時間11月21日、DARPAからそれぞれ2億5000万ドル、2億4400万ドルずつの資金援助を受けると発表した。この資金により両社は、10ペタフロップス(1秒あたり10の16乗回--つまり1京回の浮動小数演算が行える計算スピード)の性能をもつスーパーコンピュータを競って開発する。このようなコンピュータは、世界的な気候の変化や伝染病が流行した場合のまん延状況のシミュレーションに利用されることになる。
DARPAは、このプログラムにより2010年までに次世代のスーパーコンピュータが完成することを目指している。
このプログラムは、NECの「地球シミュレータ」が世界最強のコンピュータとなり、米国がスーパーコンピューティングの分野における技術的な優位性を失うのではないかと危惧された時代に発足した。スーパーコンピュータで利用された発明やアイデアは、後にサーバに適用され、最終的にはPCで利用されるようになることが多い。
Crayの社長兼最高経営責任者(CEO)であるPeter Ungaro氏は声明で「今日はCrayと世界中のスーパーコンピューティグ業界にとって、すばらしい日である」と述べた。
しかしDARPAは、Sunによるスーパーコンピューティングプロジェクトへの資金援助を打ち切った。Sunの努力が足りなかったというわけではない。同社は、チップ同士が配線を使わずに直接信号をやりとりする接触通信(Proximity Communication)技術など、いくつかの革新的な技術をスーパーコンピュータに搭載しようとしていた。
しかしCrayとIBMには、もっと以前からスーパーコンピュータの開発に携わってきた実績があった。現在のところIBMのコンピュータが、性能面でスーパーコンピュータ界の頂点に君臨する。またIBMはスーパーコンピュータの性能を向上させるために多種多様なプロセッサ、通信、メモリ関連技術を開発している。例えばテキサス大学においてIBMは、1秒間に1兆回の演算処理が可能なプロセッサを開発している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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