AT&TとBellSouthの合併案の承認について、米連邦通信委員会(FCC)は米国時間10月12日に予定されていた投票日を延期した。
投票が行われる会議は、今のところ1日遅れの13日に予定されている。
今回の日程延期はおそらく、FCCの委員長を務めるKevin Martin氏が合併に対する支持を集めるのに時間を必要としていることの表れだろう。これまでのところ、Martin氏は同じく共和党所属のDeborah Tate氏からは支持を得ているが、民主党所属のMichael Copps氏とJonathan Adelstein氏の2委員は慎重な姿勢を崩していない。5人目のFCC委員である共和党のRobert McDowell氏は、委員就任前に行っていたロビイスト活動を理由に、今回の投票を棄権している。
AT&TとBellSouthの合併は、2006年3月に発表され、10月11日にいっさいの条件なしで米司法省反トラスト局の承認を得た。買収規模は、現在の株価でおよそ790億ドルにのぼる。司法省が条件をつけずに承認したことで、複数の消費者グループやインターネット企業および電話会社、さらには民主党の一部議員からも抗議する声があがった。
Daniel Inouye上院議員(民主党、ハワイ州選出)は、声明を発表して次のように述べている。「司法省はAT&TとBellSouthの合併承認にあたり、消費者の保護や競争阻害防止に関する条件をいっさい付けておらず、公共の利益よりも政治的な便宜を優先したようだ。この判断を非常に残念に思う」
Inouye氏は、規制機関としては今回の合併の最終関門となるFCCに対して、より断固たる行動を取るよう求めている。「事態がこうなった以上、FCCが消費者の立場を保護し、市場競争を維持するための厳しい条件を設けることが、今までになく重要になった」(Inouye氏)
AT&TとBellSouthの合併が成立すれば、サービス地域はフロリダ州からカリフォルニア州まで全米22州に及び、近距離電話サービス、長距離電話サービス、デジタル加入者線(DSL)サービスを提供する、米国最大の電話会社が誕生する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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